ドイツで新たな挑戦を始めたケイン。(C)Getty Images

写真拡大

 元ドイツ代表FWで、現在は韓国代表監督を務めるユルゲン・クリンスマン氏が、英紙『Mirror』のインタビューに対応。かつての自身のように、トッテナムからバイエルン・ミュンヘンに移籍したハリー・ケインについて語った。

 イングランド代表のキャプテンは、今夏に11歳から在籍したトッテナムを離れ、バイエルンへ。レンタルを除けばキャリア初の移籍で、しかも環境も文化も異なる国外とあって、適応を不安視する声が少なくないなか、デビュー2戦目でさっそく新天地初ゴールを奪った。

 クリンスマン氏は「ハリーがインタビューで『誰もが理解できる言葉は得点だ』と言っているのを聞いた。その通りだ。だからバイエルンは彼と契約したんだ。言語の壁はないからすぐに溶け込めるだろう」と太鼓判を押す一方で、ドイツで絶対的スターになるための助言も。郷に入っては郷に従えとばかりに、古巣の後輩に次のようなアドバイスを送った。

「バイエルンのトーマス・トゥヘル監督やチームメイトを含め、ミュンヘンではほとんどの人が英語を話すから、ドイツ語を学ぶ必要はない。だが、少しでも学ぶ努力はした方がいい。もし自分たちの生活様式を受け入れ、言葉を少しでも覚えれば、人々はどれほど騒ぐか。ドイツ語で『こんにちは』『ありがとう』『会えて嬉しい』と言うだけでも、敬意を示すことになり、大きな影響を与えるだろう」
【画像】ドイツ語を話せたらなあ…?主審に何か言いたそうなケイン
 親和性を示せるのは、言語を通じてだけではない。59歳のレジェンドはまた、「ファンはヒーローが謙虚であるよう望む。ハリーがどんな車に乗っていようが、どんな家に住んでいようが、心の底では普通の若者だと示せば、そんなことは気にしない」と言う。

「バイエルンのファンに家族を紹介し、『自分はゴールを決めるために、家族はドイツでの生活を体験するためにここに来たんだ』と言った時、彼は素晴らしいスタートを切った。

 しかし、オクトーバーフェストで着用するレーダーホーゼン(バイエルン地方の伝統的な革製ショートパンツ)を手に入れ、ビールと美味しいドイツ産白ソーセージを求めて出かけるなど、バイエルン文化に飛び込む姿を見れたら最高だろう。ハリーはイギリス人だから、ビールを飲むのは何の問題もないはずだ!」

 もっとも、ケインは入団会見で「少なくとも週に1、2回はドイツ語のレッスンを受けるつもりだ。できる限りチームに溶け込みたい。言語の勉強は重要だし、努力は惜しまない。この国の文化を受け入れたい」と語っており、意気込みは十分だ。

 イングランドが誇る点取り屋は、心も身体も“ドイツの男”となれるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部