趣里(C)富取正明

写真拡大

■作詞・作曲は同ドラマの音楽担当・服部隆之
10月2日放送開始のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』の主題歌が「ハッピー☆ブギ」に決定した。

【その他の画像・動画を元記事で見る】

主題歌「ハッピー☆ブギ」は、ドラマの音楽担当でもある服部隆之(「隆」は、「生」の上に横棒が入る旧字体が正式表記)が作詞・作曲。EGO-WRAPPIN’のボーカルの中納良恵、シンガーソングライターのさかいゆう、そしてヒロインの趣里が歌唱を担当する。

軽快なブギのリズムに乗せたパワフルでソウルフルな3人の歌声が、ドラマのオープニングを彩る。

■服部隆之 コメント
今回の朝ドラは劇伴の他に主題歌の制作も依頼されました。そして、何の迷いもなくブギを作曲しようと決断しました。それがまるで使命かのように。
曲は去年の秋ぐらいには出来てしまい、ブギという言葉を入れるメロディだけは自身で固定し、残りの歌詞はプロの作詞家にお願いしようと思っていました。ところが時間経過と共に言葉が浮かんできてしまい、結局詞も自分で書き上げることに…。「買物ブギー」を作詞作曲した祖父と同じ状態になりなんとも不思議な気持ちであります。
作曲していた時から中納さんと、さかいさんに歌ってもらいたいと決めていました。ところが曲が早々に完成すると色々な考えが巡ってくるもので、主演の趣里さんの何回目かの劇中歌の録音の時、彼女の歌がオーディションの頃より日進月歩で成長している様子を目の当たりならぬ耳の当たりにし、この歌声を主題歌に入れない手はないという強い確信を持つに至ったわけです。
外連味がなく自然体で且つパワフルな歌声を持つ中納良恵さんと、さかいゆうさん。そして、どんどん現在進行形で花田鈴子に成っていく趣里さんの3人で歌う「ハッピー☆ブギ」は、敗戦の悲嘆に沈む日本人の明日への活力になるようにと世に送り出された、笠置シヅ子と服部良一によるブギへの讃歌です。多くの皆様にこの歌を口ずさんで頂けましたら嬉しく思います。

■中納良恵 コメント
ブギの女王、笠置シヅ子さんをモデルにしたドラマ『ブギウギ』の主題歌の歌唱を、服部隆之さんから直々にお話しいただけたこと、身に余る光栄であります。
歌わせていただいた、服部さんの新しい令和のブギが、月曜から金曜まで毎日、全国のお茶の間に鳴り響くなんて!!
この素晴らしい奇跡によって、今の日本がより実直で、明るく、景気よく、平和になっていくことを祈ります。それが、ブギのお役目なのだと思います。
さあさあ! はじまるでー!!
行こか! 希望の未来へ!!

■さかいゆう コメント
今回の貴重なオファーをいただき、日本ジャズが生まれ出る瞬間の当時の空気感にできるだけ触れたくて、レコーディング前に服部良一氏の自伝である『ぼくの音楽人生―エピソードでつづる和製ジャズ・ソング史』を読み込みました。大正・昭和時代に、いとも簡単にタイムスリップさせてくれる名著でした。
あの凄まじい時代、戦前、戦中、戦後、僕らの御先祖さん達に寄り添い励ましてくれたブギウギ、このレコーディングに参加できた事を心より感謝申し上げます。

■趣里 コメント
主題歌を歌うことになるとは微塵も思っていなかったので、服部先生からオファーを頂いたときは驚きでしたし、とにかく頑張らなきゃという思いでした。
中納良恵さんとさかいゆうさんの歌声がとても素晴らしかったので、自分の声が入るとどうなるだろうと最初は不安もありましたが、服部先生から「ぬくもりのある柔らかな気持ちで歌ってほしい」とアドバイスを受け、とても楽しくレコーディングできました。
ワクワクし、優しい気持ちになれる曲です。毎朝、楽しく聞いてもらえるとうれしいです。

■ものがたり
大正の終わり頃、大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・花田鈴子は、歌って踊るのが大好きな天真爛漫(てんしんらんまん)な女の子。小学校を卒業した鈴子は“歌と踊りでみんなを笑顔にしたい”と思うようになり、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団。必死に稽古に励んだ鈴子は、メキメキと成長、抜群の歌唱力で頭角を現していく。

昭和13年、鈴子は上京。そこで、人気作曲家・羽鳥善一と出会い、大きく運命が変わる。鈴子は、作曲家の指導を受け、“スウィングの女王”と呼ばれ人気歌手になっていく。

しかし、戦争が始まると、鈴子が置かれた状況は一変。鈴子の歌っていた歌は“敵性音楽”となり、鈴子の舞台での歌や踊りが厳しく制限される。さらに、鈴子の弟は出征。また、ちょうどその頃、鈴子の母も病気で亡くなってしまう。

不幸が重なり悩んでいた鈴子の前に、ある青年が現れる。ふたりは恋に落ち、やがて結婚を誓い合うまでに。しかし、青年の家族は大反対、結婚はなかなか実現しない。やがて戦争が終わり、鈴子は青年の子を身籠る。ところが、青年は病にかかってしまう。会えない日々が続き、そして、臨月の鈴子のもとに届いたのは青年の訃報だった。死に目に会えず、結婚もできないままの別れ。数日後、鈴子はひとりで娘を出産した。

鈴子は、ひとりで娘を育てながら舞台で歌う。そんななか、生まれたのが「東京ブギウギ」。明るく、飾らず、全身で歌う、鈴子の真骨頂。戦後の傷ついた日本に、その歌声が響きわたる。鈴子の歌声に合わせて、笑顔で歌い踊る人たちが日本中に溢れていった。鈴子は“ブギの女王”と呼ばれるようになり、大スター歌手への階段を駆け上がっていく。

メイン写真:(C)富取正明

番組情報
NHK 2023年度後期 連続テレビ小説 第109作『ブギウギ』
10/02(月)放送開始予定
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里「ハッピー☆ブギ」
出演:趣里 水上恒司 / 草なぎ剛(「なぎ」は、弓へんに旧字体の前+刀が正式表記) 蒼井優 菊地凛子 水川あさみ 柳葉敏郎 他

ドラマ『ブギウギ』番組サイト
https://nhk.jp/boogie