サクラクレパスが販売する「クレパス」(上)と「クレヨン」(サクラクレパスのホームページより)

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 夏休み中に学校用の文具の手入れをする家庭は、多いのではないでしょうか。そんな中、文具メーカーのサクラクレパス(大阪市中央区)が、公式サイトでクレヨンとクレパスの巻紙素材を提供しています。巻紙素材は、「16色分」と「24色分」の2種類がダウンロード可能で、SNS上では「知らなかった!」「すてき!」「有能ページすぎる」など、多くの意見が上がっています。

 同社が、クレヨンとクレパスの巻紙素材を提供しているのは、なぜなのでしょうか。提供の経緯などについて、同社の担当者に聞きました。

手入れの選択肢を示す

Q.そもそも、クレヨンとクレパスは何が違うのでしょうか。

担当者「クレパスは当社が独自に開発した画材で、柔らかく、面を塗ることが得意です。一方、クレヨンはやや硬く、線を書くことに優れています。クレパスがクレヨンよりも柔らかい主な理由は、液体油や体質顔料を多く含んでいるからです」

Q.公式サイトでクレヨンとクレパスの巻紙の素材を提供している理由について、教えてください。

担当者「製品がある程度消耗したときに、買い替えだけでなく、お手入れもできることをお伝えしたいと考えたからです。2022年5月に当社の公式サイト上で巻紙素材の提供を始めましたが、これは、同年3月に『クレパスのお手入れ』に関する情報をツイッター(現在は『X』)で公開したのがきっかけです。

新学期に向け、皆さんのお役に立ちたいという思いで投稿しましたが、この情報に対して多くの反響があり、当社のフォロワーの皆さんが工夫していることや、『もっとこうなればいいのに!』というご要望を拝見し、社内で共有しました。その結果、以前からニーズが高かった巻紙データの無料配布につながりました」

Q.巻紙の素材を提供している件について、これまでにどのような意見が寄せられているのでしょうか。

担当者「『子どものクレパスがきれいにできました!』『やってみます!』『来年もツイートしてほしい』など、多くの反響をいただいております」

Q.巻紙を張り替えないまま、クレヨンやクレパスを使い続けると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。クレヨンやクレパスをできるだけ劣化させないためには、どうすればよいのでしょうか。

担当者「巻紙が汚れている場合や、巻紙が取れてむき出しとなっている場合は、手などが汚れる可能性があります。劣化を防ぐために、直射日光が当たる場所など、高温の場所で保管をしないでください」

Q.クレヨンやクレパスは、どの程度の長さになったら、買い替えをしたらよいのでしょうか。目安について、教えてください。

担当者「当社では、目安を特に設定していません。強いて言えば、持って描けないほど短くなった場合だと思います。

持てなくなるほど短くなった数種類のクレパスを組み合わせることで、カラフルな『マーブルクレパス』を作ることも可能です。その際、ホットプレートや電子レンジが必要となるため、作る場合は必ず大人が立ち会ってください」

 新学期が始まる前に文具をお手入れしておくと、お子さんが新鮮な気持ちで授業に臨めるかもしれません。お子さんのクレヨンやクレパスの巻紙が剥がれてボロボロな状態であれば、張り替えを検討してみてはいかがでしょうか。