反時計回りですよ!

渋滞学の研究者と「群集マネジメント」

 JR東日本は2023年7月6日、新宿駅南口にて「ラウンドアバウト実証実験」を行うと発表しました。


新宿駅南口(画像:photolibrary)。

 ラウンドアバウトは信号のない円形の交差点で、近年、日本でも導入が増加中。“環道”と呼ばれるドーナツ型の一方通行路を介して、交差点の行きたい方向へ進んでいきます……というのが一般的なラウンドアバウトですが、今回は駅構内に、歩行者用のラウンドアバウトを作成し、混雑リスク低減に向けた実証実験を行うというのです。

 新宿駅南口コンコースの13・14番(中央総武線東行き、山手線内回り)階段前のエレベーターを中心として、反時計回り一方通行の経路を指定。これにより、13・14番から各方面へ乗り換える人と、小田急線乗換口からの人の流れが交錯しないようにします。効果検証のため、近くにLiDARセンサーを設置して記録を行うそうです。

 実施日は7月10日(月)〜12日(水)、各日7時10分から10時10分までです。

 今回の実証実験は、「渋滞学」で知られる東京大学大学院工学研究科の西成活裕教授が関わっています。JR東日本は群衆マネジメント学を活用した混雑リスクの対策検討として、2018年より西成教授と連携しているそう。なお、「歩行者を対象としたラウンドアバウト実証実験を駅構内で実施するのは世界的に見ても珍しい試み」だそうです。