札幌〜根室直結「北海道横断道」釧路〜厚岸が事業化へ前進 未通の21kmで計画段階評価
JR根室本線に並行して高規格道路の整備が進んでいます。
いよいよ厚岸までつながる
国土交通省 釧路開発建設部は2023年6月29日(木)、北海道横断自動車道の未事業化区間である別保〜尾幌間について、大まかなルート決定の段階に入ると発表しました。
2016年に阿寒まで開通した北海道横断道(画像:国土交通省)。
北海道横断道は、黒松内から札幌を経由して北見・釧路方面へむすぶ高規格道路の総称で、NEXCO東日本が小樽〜足寄・本別間を札樽道・道東道として整備管理しており、残る延伸区間を国が担当し、事業が進められています。
帯広の先の根室ルートは、本別〜阿寒、釧路西〜釧路別保、温根沼〜根室の3区間が暫定開通済み。その間の阿寒〜釧路西の約17kmはいよいよ2024年開通目標で、厚岸町内でも約25kmが事業中です。
今回は、釧路別保ICからその厚岸町までをつなぐ部分が、事業化に向けて動いています。
根室市がサンマ漁獲高25年連続日本一の根室を有するほか、沿線は畜産業や水産業が盛んですが、それを迅速に輸送するインフラがとぼしく、さらに地震発生リスクの高い地域でもあります。特に今回の別保〜尾幌は途中に長い山越えがあるなど勾配・カーブが連続する難所で、町境付近ではトラックなどの事故も多発しています。
開通すれば厚岸エリアがついに札幌方面へ直結されることとなります。昨年12月に最初の計画段階評価が実施され、今回は2回目。プロセスの一環で、地域住民などを対象としたアンケートが実施されます。回答は8月20日まで、沿線公共施設だけでなく建設部のWebサイトからでも受け付けています。
今後この決定をもとに大まかなルート帯や構造が決定され、それに基づいて環境アセスメントや都市計画決定といった、事業化の準備段階の手続きへ入っていくことになります。