長身ストライカーとして名を馳せたクラウチ。得点後のロボットダンスでも人気を博した。(C)Getty Images

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 元イングランド代表FWピーター・クラウチが、『Amazon Prime』で自身のドキュメンタリーが公開されるにあたり、インタビューに対応。悪夢のリバプール時代を振り返った。英紙『Mirror』が6月21日付けで伝えている。

 ユースから在籍したトッテナムでプロキャリアをスタートさせたクラウチは、母国の各クラブを渡り歩いた後、2005年夏にイングランドきっての名門へ加入した。

 当時のリバプールといえば、イスタンブールで行なわれたミランとのチャンピオンズリーグ決勝で、大逆転勝利を収めたばかり。身長2メートル超の長身ストライカーは、欧州王座防衛のキーマンの1人として活躍が期待されたが、新天地で大苦戦。初ゴールまで4か月も要した。クラウチは「プロ人生で最悪の経験だった」と明かす。

「イスタンブールでの戦いを見たあと、リバプールと契約したんだ。今までで最も素晴らしいファイナルの1つだったよね。クラブと契約して、あとは良いスタートを切るだけだと思っていた。でも明らかに事は上手くいかず、長い間、得点できなかった。リバプールの街の外では、完全にバカにされているように感じたよ。

 チャンピオンズリーグ優勝直後に、あのように得点を決められない選手と契約したクラブなんて、他にはないだろう。街の中では愛を感じた。外ではバカにされ、父と母は新聞を買わなくなり、僕はテレビを見なくなった。かなりきつかったけど、それを乗り越えたことで多くの収穫と力を得られたよ」
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 また、チームメイトだったジェイミー・キャラガーから言われた、きつい一言が今でも心に残っているようだ。

「QPR、サウサンプトン、ポーツマス、アストン・ビラなど、私が以前いたクラブには失礼だけど…チャンピオンズリーグを制した直後のリバプールに行くと、とにかく注目の的なんだ。地元紙や地元ファンの関心から、世界的なものに変わった。

 僕は新しいスターストライカーだったなかで、キャラガーは『(アンドリー・)シェフチェンコや(サミュエル・)エトーといった選手を選べたはず』だと言ったんだ。

 突然、僕が起用されたけど、得点できなかった。どこのチームもそんな真似は許さなかったと思う。でも、クラブは受け入れてくれた。本当に感謝しているよ」

 生みの苦しみを味わったクラウチは、徐々に復調。リバプール加入1年目の2005-06シーズンは最終的にプレミアリーグで8ゴール、公式戦全体で13ゴールをマークしている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部