5年ぶり開催「東京国際消防防災展2023」最新装備いっぱい 新旧激レア消防車も
「東京国際消防防災展2018」が東京ビッグサイトで開催中。1日に複数回行われる消火・救助演技以外にも古今東西様々な車両や機材が集結しているため、見どころ満載です。
屋外会場回ってみたら
2023年6月15日(木)から、東京ビッグサイト(東京都江東区)で「東京国際消防防災展2023」が開催されています。
同展は、最先端の消防や防災に関する製品、情報を集めた国内最大級の展示会で、開催は5年に1度行われており、今回で11回目です。
今年は過去最多となる全325の会社と団体が出展。東京湾を臨む屋外スペースでは、東京消防庁のハイパーレスキュー隊を中心に、消防団や在日米海軍の消防隊などが参加して本格的な消火・救助演技が行われています。
「東京国際消防防災展2023」の屋外会場で行われていた消火・救助演技(乗りものニュース編集部撮影)。
救助演技では、大規模災害などで想定される様々なシチュエーションを考慮し、仮設の3階建てビルの屋上に取り残された(という想定の)人たちを、消防ヘリコプターの隊員がホイストを使って空から助けるとともに、がれきや土砂によって孤立した住民を発見・救出するという想定で、各種消防車両の活動の一端を披露していました。
加えて消火演技では、車両に見立てた訓練機材に火を付け、実消火する模様も公開。最後には海上の消防艇なども参加した一斉放水を行いました。消防演習は会期中、毎日11時、13時、15時(最終18日は無し)の計3回実施されます。
また日産自動車のブースでは、本格的な国産消防ポンプ自動車の第1号といわれる「ニッサン180型消防ポンプ自動車」が展示されています。こちらは長らく動かない状態で東京消防庁の高輪消防署二本榎出張所において保管されていましたが、それをエンジンがかかるまでに復元したそうで、初日となる15日には最後の仕上げ作業となる「ホーン取り付け」が会場で行われ、ヘッドライトや赤色灯の点灯とともに復活した姿を披露していました。
屋内には楽しみながら学べるブースがたくさん
屋内でも、各ブースで、火災や救急、災害、避難などにまつわる各種消防機器や乗りものなどの展示が多岐にわたり行われています。
たとえば、テイセンは「Vetter EIS-電気自動車隔離消火システム」を展示。これは一度火が付くと自己発熱によって激しく長く燃えるリチウムイオン電池の性質から、袋で電気自動車全体を覆ってしまい、その中で冠水隔離することで消火しようというものです。これだと使用する水量を最小限に抑えることができるほか、被災車両を安全に隔離したまま移動させることができるとのこと。モリタ(兵庫県三田市)のブースでは、日本初のEV消防ポンプ自動車をはじめ、最新のはしご車や救助工作車(レスキュー車)などを大々的に展示していました。
「東京国際消防防災展2023」のテイセンブースに展示されていた「Vetter EIS-電気自動車隔離消火システム」(乗りものニュース編集部撮影)。
ほかにも東京消防庁が、バーチャルリアリティを活用した「VR防災体験車」で来場者に臨場感ある防災訓練を仮想体験させていたほか、燃料電池やEVといった次世代の自動車をベースにした消防車両も公開しています。
それら以外にも、在日米空軍横田基地から来たアメリカ製の消防車や、さまざまな消防自動車を収集している鈴木靖幸さんの1920(大正9)年製T型フォード消防ポンプ自動車や、絵本『しょうぼうじどうしゃじぷた』に出てくる「じぷた」を鈴木さんが再現したという車両も展示されています。
今年(2023)年は、関東大震災からちょうど100周年。そのような節目の年である今回の「東京国際消防防災展2023」は、6月18日(日)まで行われます。