本来は2022年12月納入予定。

主な原因は安全にかかわる部分の品質問題

 アメリカの政府会計責任局が2023年6月8日に発表した報告書で、F-15戦闘機シリーズの最新型であるF-15EXの納入が6か月以上遅れていることが明らかとなりました。


アメリカ空軍に納入される最初のF-15EXがアンベールされた直後の様子(画像:ボーイング)。

 遅れの原因は「飛行の安全性を確保する重要な部分の品質問題」とされています。

 アメリカ空軍には、現状2機のF-15EXが納入されています。2021年にさらに8機、2022年には12機の計20機を発注しており、“ロット1B”とされている2021年分の8機は2022年12月から納入が開始される予定でしたが、まだ1機も届いていません。

 これには、製造元であるボーイングの工場での遅延も影響しているようです。国防契約管理局の報告では、不適切な工具を使用してしまったため、製造していた4機のF-15EXにキャノピーをつけるための穴あけに問題が発生したことを明かしています。

 現在、これらの問題は解決されているようですが、アメリカで報じられたボーイングの見解よると、最初の機体の納入は7月以降になる見通しのようです。ロット1Bの最後の機体が届く時期に関しては、国防契約管理局は9月くらいになるだろうとしています。

 また、初期ロットの問題により、次のロットも今のところすでに2か月スケジュールが遅れており、2023年10月から開始予定だった量産体制への移行も遅れる可能性が濃厚になっています。