北欧らしいといえるかも。

操船には人工知能を活用

 イタリアの造船メーカー、フィンカンティエリは2023年6月9日、ノルウェーの子会社VARD(バード)が設計したゼロエミッション・クルーズ船のコンセプト・デザインを公開しました。

 これはノルウェーのクルーズ会社フッティルーテン向けに作られたもので、世界で最もエネルギー効率の高いクルーズ船の一種になるとのこと。船体長は135mで、内部には客室が270室用意され、乗員99名と最大500人の乗客を収容できるとしています。


フィンカンティエリの子会社バードが設計したゼロエミッション・クルーズ船(画像:フィンカンティエリ)。

 最大の特徴は船体中央部に立てられた格納可能な帆です。これは帆船と同じように風の力を推進力に変えるだけでなく、表面に貼られたソーラーパネルで発電することで、電気モーターを駆動させ、それでプロペラ(スクリュー)やスラスターを動かすことも可能です。
 
 また船内には大容量バッテリーが搭載されており、港で停泊中は外部からの給電によって充電することもできます。

 操船にはAI(人工知能)が活用されるほか、船橋(ブリッジ)は飛行機のコックピットを模して大幅に省人化を図りコンパクトにするそう。これらによって再生エネルギーを効率よく用いてゼロエミッション・クルーズを達成するとしています。

 フッティルーテンでは2025年まで研究を続けたのち、2030年に最初のゼロエミッション船が進水する計画だそうで、最終的には所有する船舶のすべてをこのタイプにするとしています。