え、中古でリース品なの!?

国防大臣も“新機体”編入に満足

 アルゼンチン空軍は2023年6月6日、新たに導入したC-130H「ハーキュリーズ」の編入式を開催しました。


パイロットたちに握手を求めるタイアナ国防相(画像:アルゼンチン国防省)。

 この機体は、同国の空軍では7機目の「ハーキュリーズ」となります。保有機体拡充のため、アメリカに新しい航空機を要請した結果、11か月のリース契約という形で航空輸送第1飛行隊に編入されます。なお、アルゼンチン政府は購入する可能性も考えているようです。

 編入された「ハーキュリーズ」は、主に南極基地への補給活動と人員の移送を強化するために使用されるようです。

 機体の登録名は同国空軍の先人たちに敬意を払い「Pioneros de la Aviación Militar(ピオネロス・デ・ラ・アヴィアシオン・ミリタール)」とされた同機の編入に関して、ホルヘ・タイアナ国防相は「空軍に新しい航空機を導入できることは、常に喜ばしいことだ」と述べ、輸送や偵察任務など、自国の安全保障に関して同機がいかに重要かを報道陣に伝えました。

 さらに、空軍の先人たちの功績についても言及。タイアナ国防相は「アルゼンチンという大きな国土を持つ国にとって不可欠な空軍を、発展させることに成功した先駆者たちの英雄的行いを思い出したい」とスピーチを終えました。

 また、式典に出席したザビエル・アイザック空軍参謀長も「空軍には、マルビナス(フォークランド戦争)以前と以後があるが、マルビナスに行く前に、黙々と命がけで偉大な空軍を作り上げた先駆者たちがいた」とかつての同国空軍の栄光について強調します。

 空軍の歴史や功績を強調した式典でしたが今回の「ハーキュリーズ」に関しては、アメリカの空軍警備隊で34年間使用されていた中古機であるにもかかわらず、新型のようにスピーチしていたと指摘する報道も一部ではあります。アルゼンチン空軍は自国の経済事情により、予算的に苦しい立場にあります。

 なお、隣国のブラジルの防衛産業はエンブラエルC-390という自国製輸送機を生産・輸出できるほどの規模になっています。