ペルー代表の歴代最多得点記録を持つゲレーロ(手前)。39歳とは思えない躍動感が売りだ。(C)Getty Images

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 日本代表の6月シリーズが幕を開ける。キリンチャレンジカップ2023として行なわれる2試合で、6月15日(木)に愛知県の豊田スタジアムでエルサルバドルと、同20日(火)に大阪府のパナソニックスタジアム吹田でペルーと、それぞれ対戦する。日本代表の森保一監督は、開催発表に際して「ともに中南米の実力ある2チーム。いずれの試合も接戦になるかと思う」とのコメントを発している。

 まずは北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)に加盟するエルサルバドル。4月6日発表の国際サッカー連盟(FIFA)ランキングでは75位で、ワールドカップ出場は1970年メキシコ大会と1982年スペイン大会の2度。いずれもグループステージ3戦全敗でインパクトを残せず。カタール大会は最終予選に駒を進めたものの、8チーム中7位で出場権獲得には、はるかに及ばなかった。

 日本とは唯一、4年前のキリンチャレンジカップ2019で戦い、FW永井謙佑に2点を奪われて0−2の敗戦。シュート数では1対15と圧倒された。これは久保建英が交代出場で日本代表デビューを果たした一戦でもあった。

 こうした力関係から、強豪相手にはどうしても受け身にならざるを得ない。押し込まれて、機を見てのカウンターアタックに活路を求めることになる。カタール大会最終予選も14試合で8得点に終わるなど、決定力が悩みの種だ。ただ、チームとしてキープ力はあり、前述の日本戦はボール支配率で51.1%とわずかに上回っていた。
 
 今回の来日予定メンバーで注目されるのはクリスティアン、ブライアン、マイエルのヒル三兄弟。コロンビア生まれで、兄弟3人で代表入りするというのも異例だが、いずれもFWというのも珍しい。MFジョシュア・ペレスは、ウーゴ・ペレス監督の甥という関係。FWケビン・レジェスはテクニックのあるサイドアタッカーだ。MFハイロ・エンリケスはパワフルなドリブル突破から果敢にミドルシュートを狙う。

 ペレス監督はエルサルバドル出身ながら、アメリカ代表で1994年のワールドカップにも出場した。30年前のキリンカップサッカー1993で来日し、日本代表を相手に鮮やかな先制シュートを決めている(試合は日本が3−1で勝利)。2021年4月に就任以降、国外でエルサルバドルに縁のある選手も積極的に加えてチーム強化を図っている。
 エルサルバドルに続いてFIFAランキング20位の日本が対戦するペルーは、同ランキングが21位。ワールドカップ出場こそ日本の7度より少ない5度だが、ベスト8には1970年メキシコ大会、1978年アルゼンチン大会と2度進出している。その両大会とも攻撃的なサッカーでファンを魅了した。ウルグアイで開催された1930年の第1回大会にも出場という南米の古豪だ。

 前回カタール大会は南米予選で5位となり、大陸間プレーオフへ。昨年6月、コロナ禍の影響によってカタールでの一騎打ちとなったオーストラリア(アジア代表)との決戦は、延長戦でも両者0−0と譲らず、PK戦で4−5と涙を呑み、ロシア大会に続く連続出場はならなかった。

 6月16日の韓国戦でスタートする今回の東アジア遠征メンバー発表でサプライズとなったのは、39歳のストライカー、パオロ・ゲレーロの復帰だろう。最後に代表でプレーしたのは、チリと戦った2021年10月のカタール大会南米予選だった。ペルー代表歴代最多得点記録を持ち、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)やブラジルの名門クラブでも活躍した歴戦の勇士の実績は申し分ないが、四十路を前にしての招集には疑問の声も。だが、フアン・レイノソ監督は「とても質の高い選手。今のチームに欠けているものを持っている」と、意に介さない。

「どこかのタイミングで2トップも試したい」と語るレイノソ監督は、このゲレーロとラウル・ルイディアス、あるいはイタリア系のジャンルカ・ラパドゥラを組ませる構想か。カタール大会予選敗退後、世代交代の必要性も叫ばれたが、ロシア大会出場組も健在。チャンスメーカーのMFクリスティアン・クエバ、アグレッシブなDFルイス・アドビンクラ、守護神の第一人者であるペドロ・ガジェセといった選手たちだ。
 
 こうした経験豊富な選手に伍して、4−1で快勝した昨年9月のエルサルバドル戦で代表デビュー、初ゴールもマークしたFWブライアン・レイナの活躍も期待される。左サイドでのドリブル突破は“ペルーの三笘”か。

 アルゼンチン人のリカルド・ガレカ前監督が植えつけた組織力を基盤に、伝統の攻撃精神を活かそうとするのが、昨年8月に就任したレイノソ監督。自身も元ペルー代表のDFで、日本と同国が初めて顔を合わせたキリンカップサッカー1999(0−0の引き分け)でもプレー。その直後のコパアメリカにおける対戦(3−2でペルーの勝利)にも出場して、日本の前に立ちはだかった。

文●石川 聡

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