(C) TOMY/(C)ぴえろ・YOMIKO (C)松本久志

写真拡大

1970年代・1990年代を熱く盛り上げた人気玩具シリーズを原作にしたコミカライズ作品『小さな巨人 ミクロマン マグネパワーズ編+レッドパワーズ編』が、復刊ドットコムから発売された。多くの子供たちが夢中になったミクロマンとは何なのか、その魅力の源泉に迫ってみたい。

>>>懐かしの『小さな巨人 ミクロマン』玩具シリーズ&『マグネパワーズ編+レッドパワーズ編』名場面を見る(画像15点)

「小さな巨人 ミクロマン」は、タカラ(現タカラトミー)が展開した玩具シリーズだ。まずは、その誕生までの道のりを駆け足で追ってみよう。
タカラは1960年代からアメリカのハズブロ社と提携して1/6スケール・全高約30センチのアクションフィギュア「ニューG.I.ジョー」シリーズを販売、そのバリエーションとして特撮やアニメのヒーローの着せ替え衣装をセットにした「正義の味方シリーズ」を発売してヒットさせた。
1972年には、そこから発展したSFオリジナル玩具「変身サイボーグ1号」をリリース。全身クリア素材で作られたニューG.I.ジョーと同型のフィギュアの頭部と胸部にメカ素材を配置した未来感あふれるデザイン、そして手足を外すことで別売りの武器アタッチメントを装着させられるなどの要素が加わったことで爆発的なヒットを記録した。

その流れの中で誕生したのが1974年開始の「ミクロマン」であった。「ミクロマン」はまず1974年〜1981年に最初のシリーズが展開された。フィギュアバリエーションだけでも100体以上が発売されるヒット商品となり、「タカラSFランド」と呼ばれるカテゴリーを支える重要なコンテンツとなる。

変身サイボーグを全高約10センチ(厳密には9.5センチ前後)に縮小する、という発想で生まれたミクロマンの斬新な点は、それが「1/1スケール」の商品であるということ。机の上をそのまま戦場にして、爪楊枝を剣として持たせ、銀色の灰皿を円盤に見立てるなどして遊ぶことができた。
頭部が銀色メッキであることも特徴の1つだが、これは当時の生産技術では大きさ1センチ前後の顔を精密に彩色するのが難しかったことと、変身サイボーグから受け継いだSFマインドを強調するという理由を兼ね備えていた。

人形のサイズが小さくなったことで乗り物や基地といった関連アイテムが幅広く展開され、加えて各パーツに共通の5ミリジョイントを設けることで組み替え自由の有形ブロック遊びも楽しめるなど、プレイバリューはさらに充実していた。

爆発した惑星・ミクロアースから地球へとやって来たミクロマンが、地球の公害によって生まれた悪のミクロマン=アクロイヤーと戦うという世界観も、数多くの児童誌で特集やコミカライズが展開されたことで浸透し、当時の子供たちはミクロマンワールドに魅了された。

(C) TOMY/(C)ぴえろ・YOMIKO
(C)松本久志
(C) TOMY

時は流れ、アメコミフィギュアの一大ブームをきっかけに大人向け玩具ホビー市場が成立し始めた1998年、タカラは沈黙を破り新たなミクロマンの商品展開を再開。高年齢層向けにシリーズ初期のミクロマン復刻版をリリースする一方、現役の男児をターゲットにしたミクロマンの新規シリーズをスタートさせる。それが「ミクロマン 超磁力システム」である。

ネオジム磁石をギミックに使用した新規開発・全高約8センチのフィギュアシリーズで、「マグネパワーズ」と呼ばれるミクロマン5人のチームを中心とした世界設定で商品シリーズを展開。また初期シリーズの「タイタン」の流れを汲む鉄球関節&磁石の大型アイテム・ロボットマンも登場した。
初代シリーズ同様に児童誌での展開は勿論のこと、1999年には『小さな巨人 ミクロマン』としてシリーズ初のTVアニメ化もされるなど活発なメディアミックスを展開した。

今回復刊されたのは、漫画家・松本久志が1998〜2000年に『コミックボンボン』(講談社)に連載した作品。キャラの名前や基本設定はおおむねアニメと同じだが、そのコミカライズというよりは、玩具を起点にした別作品として仕上がっている。
母星ミクロアースをアクロイヤーに滅ぼされたミクロマン・アーサーは、アクロイヤーが次の標的に定めた地球へと赴く。地球人の少年・久磁耕平とその弟・祐太、友人・水沢麻美という協力者を得たアーサーの元には仲間のエジソン、ウォルト、イザム、オーディーンが集い、アクロイヤーに立ち向かっていく――。

本作の大きな見どころは、何といってもミクロマンとアクロイヤーの間で繰り広げられる迫力のバトルシーンだ。アーサーたちが周りにある何もかもが大きい地球での戦いに戸惑う一方、いち早く地球に順応したアクロイヤーは洗脳した大人やヒト型アンドロイドを巧みに操り、侵略の先手を打ち続ける。厳しい逆境の中で勝機を探るアーサーたちの戦いは、ハラハラドキドキの連続だ。
また、そんな戦いの中でミクロマンと人間の熱い友情も育まれていく。耕平たちはラジコンを操って敵に体当たりさせたり、アクロイヤーに操られた大人に消火器を吹き付けて動きを封じたりと、様々な形でミクロマンと共闘する。アイディアに富んだそのバディアクションにも、ぜひ注目してもらいたい。

アニメ放送終了後の2000年から、玩具シリーズはLEDを内蔵した「レッドパワーズ」シリーズへと移行。並行して漫画はマグネパワーズ編の15年後の世界を描く「レッドパワーズ編」となり、新たなエネルギー源「レッドジウム」の力により目覚めたアーサーは、大人になった耕平たちと協力して総統アクロイヤーに立ち向かうことになる。

「レッドパワーズ編」は当時の単行本に収録されなかったため、こちらが完全収録された今回の単行本はまさにファン待望のアイテムとなった。
本作を通して、改めてミクロマンというキャラクターの魅力を再発見してほしい。

(C) TOMY/(C)ぴえろ・YOMIKO
(C)松本久志
(C) TOMY