工事が進められている外環道の「関越〜東名」区間。その途中にある「中央JCT・東八道路IC(仮)」は非常に複雑な構造になっています。

分岐・合流が多発 屈指の難易度?

 工事が進められている外環道の「関越〜東名」区間。大泉JCTからさらに南下し、三鷹付近で中央道と、多摩川の手前で東名と接続します。本線トンネルは上下線それぞれ別に掘削され、大深度地下で都内を南北に縦断していきます。


外環道が中央道と接続する「中央JCT・東八道路IC(仮)」(画像:Google Earth)。

 その途中にあるのが、中央道との接続部「中央JCT(仮)」。ただのジャンクションではなくICを兼ね備え、北側に開口する「東八道路IC(仮)」と一体となっています。

 このような「JCT・IC」は各方向をむすぶランプと出入口のランプが複雑怪奇に絡まりあう、芸術的な構造になっています。例として東京は箱崎JCT(箱崎出口)、京都は大山崎JCT・ICなどがあります。

 外環道の「中央JCT・東八道路IC」も同様で、さらに都心近くの住宅密集地に新設されることから、用地を最小限にしながら全方向の行き来を可能にする設計で、さらに複雑怪奇な構造に。東八道路からは外環道の内・外回り、中央道の上下線へ計4分岐。その逆もあり、さらに中央道〜外環道で8通りのランプ、これらが互いに分岐・合流を繰り返しています。

 例えば中央道下り線から外環道北行き(外回り)へ行く場合、分岐・合流は下記の6回におよびます。
・左分岐(中央道本線と)→右分岐(外環南行きからと)→右合流(中央道上りからと)→左合流(東八道路からと)→右分岐(東八道路行きと)

 東八道路から外環道南行きへ行く場合も、下記の5回の分岐・合流が待ち受けています。
・左分岐(中央道と)→左分岐(外環北行きと)→右合流(中央道下りからと)→左合流(中央上りからと)→左合流(外環道本線と)

 わずか1、2分のあいだにこれらを連続して的確に判断し、間違いの無いよう右に左に分岐し、合流車両に気を付けて、通り抜けていく必要があります。

 これだけ複雑怪奇ながら、ランプはうまく分離され「Uターンしてしまった」という失敗は起きない設計になっています。ただし「東八道路から入って東八道路へもどってくる」というパターンはあるので注意しましょう(左分岐→右分岐→右合流→左分岐)。また、東八道路から外環道北行きに乗る場合、いったん1km近く南下し、JCTで方向転換して北上し、トンネルに入る形となります。この構造を把握しないと「自分はどこへ行くんだろう?」と自問自答することも。

 各所で進められている工事ですが、まだ開通めどは発表されていません。いざ開通後、ランプ内で途方に暮れることの無いよう、今のうちにイメージトレーニングを行っておくといいかもしれません。