高速道路でドライブしていて気づきにくいのが、「高速の管理会社が変わっていること」です。特にNEXCO3社がそれぞれどこのエリアなのかは、なかなかピンと来ないかもしれません。

どこから東日本、中日本、西日本になるのか

 高速道路を管理する日本道路公団が2005年に分割民営化し、「NEXCO東日本」「NEXCO中日本」「NEXCO西日本」の3社になりました。ところで、それぞれの管理区間の境界はどこになるのでしょうか。


高速道路(画像:写真AC)。

 まずややこしいのが首都圏。圏央道はあきる野以南が中日本、それ以外が東日本です。建設中の外環道(関越〜東名)も、中央道に接続する中央JCT(仮称)を境に南に中日本、北が東日本に分かれます。

 中央道と東名・新東名は全線が中日本ですが、第三京浜・横浜新道・横浜横須賀道路・東京湾アクアラインはいずれも東日本です。

 ちなみにJR在来線だと、熱海がJR東日本とJR東海の境界で、東海道新幹線は東京〜新大阪の全線がJR東海です。

 上信越方面を見てみましょう。北陸道は富山・新潟県境に近い「朝日IC」ですが、長野道は松本・長野両エリアの中間にある「安曇野IC」が境界点。JRの場合、東日本・東海の境界は甲府駅・辰野駅・塩尻駅となります。JR中央本線は塩尻以東(中央東線)がJR東日本、以西(中央西線)がJR東海ですが、中央道は全線がNEXCO中日本というのが大きな違いのひとつです。

 関西圏のNEXCO中日本と西日本の境界点も各路線の途中にあり、名神は八日市IC、新名神は甲賀土山IC、舞鶴若狭道は小浜ICです。

途中で「NEXCO以外」に切り替わる場合は注意!?

 とはいえ、それがドライブの上で特に何か影響するわけではありません。料金は通しで計算されますし、JRのICカードと違って会社をまたいでもETCは使え、看板の色は緑で同じです。

 料金の面で変わってくるのは、首都高や阪神高速など、都市高速へ乗り入れる場合。多くは高架道路で直通するので、すぐ下りる場合でも会社をまたいで思わぬ料金になることがあります。

 たとえば中央道は高井戸IC、東名は東京IC、東北道は川口JCT、常磐道は三郷JCT、東関東道は高谷JCTを越えると、都心側で首都高に切り替わります。ただし常磐道はJCTにNEXCOの三郷ICと首都高の三郷出入口がそれぞれあるので、心の準備がしやすいかもしれません。同様に関西でも、名神が阪神高速に入る直前に西宮料金所・西宮ICがあり、「うっかり阪神高速に乗ってしまう」のは防げそうです。

 また、NEXCO管轄と国管轄がいつのまにか切り替わる場合もあります。中部横断道は途中の六郷〜富沢だけ国の管轄の無料区間で、残りはNEXCO中日本。建設中の京奈和道は城陽から郡山までがNEXCO西日本、以南が国の管轄となります。東九州道は佐伯〜延岡が国の管轄で無料のため、NEXCOだからと思って敬遠して下道を走っていると、実は無料で通行できたという場合があります。

 なお、こういった区間は案内板に「無料区間」と明記されているのが一般的。市販の道路地図でも、高速道路の無料区間は一般国道と同じ色で塗られているものがあり、識別しやすくなっています。


※一部修正しました(6月5日11時18分)。