「東武野田線」が“激進化” 新型車両や主要駅の改良も 今後どう変わる?
大宮駅と船橋駅を結ぶ東武野田線。車両や駅など、今後大きな変貌が予定されています。どのように変わっていくのでしょうか。
2024年度から「5両編成」新型車両を導入へ
大宮駅と船橋駅を結ぶ東武野田線。「東武アーバンパークライン」という愛称もある同線ですが、今後大きな変貌が予定されています。どのように変わっていくのでしょうか。
東武野田線(画像:写真AC)。
東武野田線は長らく各駅停車しか運転されておらず、車両も伊勢崎線(スカイツリーライン)など、本線から転用された「お下がり」の車両ばかりでした。
そうした状況の中、2013年に野田線専用の新型車両、60000系が導入され、沿線では驚きを持って迎えられました。その後、2016年に急行運転が開始され、翌年には特急「アーバンパークライナー」の運転も始まっています。2019年には逆井〜六実間の複線化が完了。現在は清水公園〜梅郷駅間で連続立体交差化工事が進められており、2023年度は野田市駅の新駅舎が完成予定で、ホームも1面2線から2面4線に拡張されます。
今後は、野田線に残っている老朽化した車両を置き換えるため、2024年度から新型車両が導入されます。この新型車両は現在の6両編成から5両編成となり、更なる省エネ化を図った車両となる見込みです。車両数を減らす背景について東武鉄道は「利用者がコロナ前の水準に戻ることは想定しにくく、1列車あたりの両数を減らすことで、列車本数の維持を図ることが目的です」と話します。同社によると新型車両は25編成が導入される予定で、長く活躍してきた白い車体の8000系車両も見納めとなりそうです。
春日部駅や大宮駅といった沿線の主要駅も大きく姿を変える予定です。春日部駅は2031年度の完成を目指して高架化工事中。高架化に伴い、野田線のホームが1面2線から2面4線に増設されます。これは野田線の輸送改善を目的としたもので、「東武伊勢崎線と東武野田線の直通運転や増発」、「速達列車の追い越しや乗り換えの利便性向上」のほか、将来的な野田方面の複線化にも対応できる構造になります。
大宮駅では、さいたま市などが推進している「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」の一環として駅改良が想定されています。構想では、東武大宮駅の位置を南側にずらし、ホームを拡幅したうえでホームドアを設置。現在の1面2線から2面3線に増強することを検討しています。また、駅を橋上化し、新たに整備する新東西通路に改札口を設けるとしています。これが実現すれば、ホームが狭くて不便な東武大宮駅が劇的に改善されます。具体的なスケジュールは決まっていませんが、今後、実現に向けた検討が加速するとみられます。
駅や車両、運行形態が大きく変化しつつある東武野田線。沿線では、東武鉄道によって「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」など、大規模分譲開発も進められています。今後もしばらく進化が続く路線となりそうです。