首都高の詰まる出入口「与野」移設へ 北への延伸工事で“未完のJCT”大変貌 新大宮バイパスも変わる
首都高の最北路線であるS5埼玉大宮線を、さらに北へ延伸する事業が進んでいます。その一環として「与野出入口」の移設がまもなくスタート。いまは構造的にスカスカ状態の与野JCTが、本来の姿に近づきます。
与野JCTの「イカの耳」が使われるときがきた!
首都高の最北路線であるS5埼玉大宮線を、さらに北へ延伸する「新大宮上尾道路」の事業が進んでいます。その一環として2023年度から、既存の「与野出入口」の移設工事が始まる予定です。
首都高S5埼玉大宮線。与野出口から本線へ延々と車列が伸びることもある(ドラレコ画像)。
S5埼玉大宮線は、東京方面からさいたま市へ延びる国道17号「新大宮バイパス」の高架部にあたります。与野JCTで東へ向かうS2埼玉新都心線と接続していますが、S5の本線としてはそこで終了し、そのまま地上の新大宮バイパスへつながっています。これが「与野出入口」です。ただ、出た直後に信号があるなどして、下りる車列が首都高の本線まで伸びることがあります。
出入口の移設は、いよいよS5から本線を北へ延伸させるにあたり、このままでは支障してしまうためです。
首都高速道路によると、本線と地上をつなぐランプを新たに建設して、現在の分岐・合流位置を変更するといいます。現在ある高架橋の橋桁が外側へちょっとだけ広がる、いわゆる「イカの耳」と呼ばれる箇所に、新たなランプが接続します。
現在の与野JCTは、S5からS2を結ぶループ上のランプがあるものの、それと対になるループがなく、広大な空白部が存在します。いよいよその空白が埋まるときがくるのです。
付け替え後はどんな姿に? トラップ解消なるか
現在の与野出口は本線の右側から分岐しますが、これを左分岐に変更。新大宮バイパス本線の右側(中央分離帯側)にとりつく線形になると見られます。
与野入口については、新大宮バイパス上り線から分岐し、広大な空き地となっている箇所にループ状のランプを建設。S2からS5を結ぶ高架ランプの途中に接続する形になる模様です。
ちなみに現在、与野出口付近の地上にはちょっとした“トラップ”があります。新大宮バイパス下り線から新都心方面への右折レーンを進むと、途中で与野出口が合流し、その先の信号で「直進/右折/右折」の並びになります。ここをよく通るという20代男性は次のように話します。
「時間帯によっては、右折レーンに入って与野出口が合流してくる箇所も詰まるし、慣れないと、右折しようと思ったのに信号のところで直進車線に入ってしまい、新大宮バイパスに戻っちゃうんですよ。信号のところの右折車線も容量が足りていない感じです」
与野JCT。右へS2埼玉新都心線が延びる。JCTは未完成で広大な空き地が(画像:Google)。
与野出口の合流位置が変更になれば、この“トラップ”も解消されるかもしれませんが、首都高速道路は「出入口付け替え後の交通運用などについて関係機関と協議中です」としています。
「現時点で(与野出入口の付け替えについて)具体的に完成予定時期を申し上げることはできませんが、早期完成を目指して事業を進めてまいります」(首都高速道路)