群馬県桐生市の桐生駅前に、歩行者信号にも関わらず自動車用信号のように横長で、異常に低い位置に設置されているものがあります。どうしてこうなったのでしょうか。

歩行者信号のルール上こうなった?

 群馬県桐生市の桐生駅前、樹徳高校の近くにある交差点の歩行者信号機は、他の信号と比べ奇妙な点があります。自動車用信号のように横長になっており、異常に低い位置にあるからです。


横長の歩行者信号機(斎藤雅道撮影)。

 このようになった原因は商店街の変化にあるようです。地元の人によると、錦町商店街用のアーケードが撤去された後、その場所に信号だけが残り現在の形になっているそうです。信号機を確認するとLEDではなく、古い電球タイプの信号だったので、もしかすると信号機を新しくする際は通常の縦型になるのかもしれません。

 近くの本町六丁目商店街には、現在でもアーケードが残っており、同様に横長の信号機があるため、なぜこの形になったのかがわかります。歩行者からの視認性などを考慮した場合、歩行者信号機は、アーケードよりも低い位置に信号を設置しなければなりません。しかし縦置きだと高さが足りなくなってしまうため、横長になったようです。

 歩行者信号機は道路構造令により2.5m以上の高さに設置しないといけないという決まりがあります。警視庁のホームページにも「アーケード等がある場所には歩行者用灯器を設置できないことがあります」と注意書きがあるので、こうした事例は結構あるのかもしれません。

 群馬県内では、前橋市にも横長の信号機があるそうです。また、ネットの情報によると新潟県や愛知県などにも。さらに鹿児島県では、横は横でも、自動車用の信号機につり下がった形の歩行者信号機もあるようです。