無料の「羽田〜川崎」国道トンネルが工事中 浮島地区・アクアラインへ「首都高なしで直結」
羽田空港で「Uターン」で終わっていた国道357号、多摩川を越える日はいつ…?
「東京湾岸道路」東京・神奈川区間の事業化工区
羽田空港で途切れる国道357号(画像:Google Earth)。
首都高湾岸線と並行する国道357号は、多摩川河口を越える羽田空港〜川崎浮島JCT間では道路がありません。ここを渡るには、首都高に乗るしかありません。しかし現在、国道357号「多摩川トンネル」の工事が着手済みです。
東京都と川崎市の間をはばむ多摩川は、交通需要に対して橋が少なく、大師橋・六郷橋・多摩川大橋をはじめ慢性的なボトルネックとなっています。また羽田地区と川崎浮島地区は周辺が臨海工業地帯でトラックの移動も多く、地区同士は2022年に「多摩川スカイブリッジ」で結ばれましたが、幹線ルートとしての想定はされていません。
そこで、新たに多摩川を越える幹線ルートとして、首都高湾岸線の側道として整備が決定、2015年に事業化しています。この海底トンネルは長さ3.4km。首都高の西側に並行して、直径16m、2車線分のシールドトンネルとなる計画です。
気になる工事進捗ですが、2023年度の事業計画では調査設計およびシールドトンネルの「発進準備」の段階。2020年2月から、地上からシールドを下ろして組み立てる「立坑」設置のための改良工事が進められている途中です。他にも支障物撤去の作業が行われていて、首都高と行政との間で料金についての協議や調整も進められています。
国道357号はこの先、東扇島、大黒ふ頭まではつながっておらず、首都高しかありません。東京〜川崎方面の臨海部の縦軸は産業道路と第一京浜(国道15号)くらいしかなく、エリア間のアクセスに乏しいため、地元地域から事業化の要望が続けられています。2023年度の「道路調査の見通し」にも名前は挙がっておらず、概略ルート検討すら未着手で、優先順位はまだ低く扱われています。実現するまでは相当の時間がかかりそうです。