頼副総統、TSMCによる熊本への投資に期待 「経済協力のけん引役になれば」

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(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)副総統は3日、北部・台北市の総統府で訪台した自民党熊本国会議員訪問団と面会した。頼氏は、半導体大手、台湾積体電路製造(TSMC)による熊本県への投資が、両国の経済協力のけん引役となり、その他の産業にもさらなる連携がもたらされればと期待を寄せた。

頼氏は自身が南部・台南市長だった2016年2月に起きた台南地震(台湾南部地震)後、当時の安倍晋三首相や日本の各界から関心と支援が寄せられたと指摘。同年4月の熊本地震では台南市や同・高雄市の関係者らが被災地を訪問し、早期復興を後押ししたとし、台湾と日本は数十年にわたり「まさかの時の友こそ真の友」だと強い結びつきを改めて語った。

また台南市にもTSMCの工場があることに触れ、産業と経済発展だけでなく、待遇の良い就業の機会を多くもたらし、世界での知名度を向上させ、台南市を世界の台南にしたと効果を強調した。

環太平洋経済連携協定(TPP)については、議員団に台湾加入への支持を呼び掛け、台日の経済発展と新型コロナウイルス収束後の世界経済の回復の面で台湾はポジティブなパワーになれるとアピールした。

自民党副幹事長の坂本哲志衆院議員はTSMCの進出に期待を示した他、今後台湾と技術や経済、政治、文化、情報などの分野での交流強化に意欲を見せ、日台の強固な友好関係は平和で安定した地域をつくり出せると信じていると語った。

一行は2日には交通部(交通省)民用航空局を訪問。台湾と熊本を結ぶ定期便の早期回復に期待を示し、同局の林国顕局長も全力で協力する考えを示した。

(温貴香、汪淑芬/編集:齊藤啓介)