ボーダー柄のコンビが、サイコロ片手に“ノー・ボーダー”の精神でナイスな音楽を聴き歩く――。

今回の舞台は高輪ゲートウェイ駅。山手線を周る「ボーダーズの“音の場”season2」は前回の秋葉原で終了していますが、season2の延長戦として2020年3月14日に開業したばかりの本駅に行ってきました。

PHOTOGRAPHY BY 山本マオ INTERVIEW  & TEXT BY 田中尚道



――今回はアディショナルタイムです。そもそも順調にSeason2が終っていれば、高輪ゲートウェイは開業していなかったのですが。

藤村鼓乃美 season2は何年かかったんですか?

――2016年1月19日より連載が始まりました。

藤村 丸7年経っているんですね。

北川勝利 でも、途中に本誌連載の「特訓中」を挟んだりしてるし。

藤村 「特訓中」の扱いはどうなるんですか?

――番外編ですね。今回久しぶりに街歩きをされていかがでしたか?

藤村 あんなに歩いたのは久しぶりです。

――season2の最後のロケが、おそらく2019年のころだったと思います。

北川 わりと散歩しているんで、そんなに久しぶり感はなかったな。

藤村 あんなに歩きます?

北川 一回にたくさん歩くと疲れちゃうから、今回のロケの半分くらいだけど。知らない道を選んで目的地に向かってみたり。ボーダーズで歩くと、絶対知らない道ばかりだから結構楽しい。

藤村 高輪ゲートウェイに来るときに山手線に乗ってくるわけじゃないですか。全部の駅になにかしらの思い出があると。

北川 高輪ゲートウェイ駅っていつできたんですか?

――2020年3月開業ですね。

北川 ゲートウェイの由来ってなんでしたっけ?

――江戸時代、高輪に東海道が通っていて、江戸に入るための大木戸があったんです。それをゲートウェイとしているそうです。



北川 そんな高輪ゲートウェイですが、今日何見た?

藤村 誰かの家……。





――柴田錬三郎の旧邸ですね。その前に、国道15号に残された高輪海岸の石垣を見ました。

藤村 あと、歯医者さんの発祥の地。





――歯科医学教育発祥之地です。その間にもありました。

藤村 なにがありました?

北川 藤村に忠臣蔵の話をしてあげて欲しい。藤村と忠臣蔵ゆかりの地という話をしていたんですが、道すがらに古い洋館があったのを見て、忠臣蔵の蔵ってあれですか? って。

藤村 なにが中心なんだろうと。

――忠臣蔵は大石内蔵助という人が主人公なんですが、この内蔵助は役職名で財政管理の仕事です。忠義の家臣である内蔵助の話なので忠臣蔵という訳ですね。主君である浅野内匠頭が朝廷の使者の饗応役を命じられて、その作法を高家という指南役の吉良上野介に頼みに行くんですが、賄賂を要求されて断る。それを根に持った上野介がいろいろと嫌がらせをするわけです。ずっと我慢してたんですが、ついに我慢できなくなり江戸城の松の廊下というところで、上野介に刃傷に及んでしまう。江戸城内での抜刀は死罪ですし、朝廷の使者が来ている所での事件だったので、五代将軍の綱吉は激怒。内匠頭は即日切腹させられるし、お家は取り潰し。所領の赤穂藩も召し上げになる。家臣の内蔵助は内匠頭の弟を藩主にして取り潰しを免れようとするのですが失敗してしまい、ならば旧主の仇を討とうと吉良邸に押し入りその首級を挙げて、内匠頭の菩提寺である高輪泉岳寺に報告に行くという話です。







藤村 それで泉岳寺に首洗いの井戸があったんですね。むっちゃ泣ける話じゃないですか。

――討ち入りの後、参加した浪士四十七人は数家に分けられて幽閉されるのですが、そのうちのひとつが肥後細川家で、柴田錬三郎旧邸と歯科医学教育発祥之地の間にあって、そこで内蔵助が切腹しています。死後浪士たちは主君と同じく泉岳寺に葬られるのですが、その際に身の回りの品を納めたら、泉岳寺の坊主がそれを売ってしまったそうで、ネットがない時代なのに大炎上したとか。









藤村 それ知ってたらもっと楽しかったのに。

北川 おせえよ! そもそも年末とかに「忠臣蔵」やってるじゃない。観ないの?

藤村 年末のドラマ観ないんですよね。お笑いばっかり観ているので。でもちょっと観てみたくなりました。





――1700年代に歌舞伎で火が付いたコンテンツで、浪士が葬られた後ろくに手入れもされていなかったそうですが、歌舞伎で人気を博した後に、聖地巡礼じゃないですが、参拝客が増えたためにきれいに整備されて今に至っています。

藤村 情に厚いだけで悪い人たちじゃないですよね。吉良とんでもない奴だ。

北川 そうしたほうが盛り上がるからね。実際はどうかわからないけど。吉良にいじめ抜かれて刀抜いちゃって、主君は無念の切腹。それを見た家臣が吉良許せねぇと討ち入る。

藤村 なりますなります。私でもなると思いますもん。

北川 そのお話がいろんな人の共感を呼んで、今でも有名なわけだ。

――歌舞伎だと「仮名手本忠臣蔵」というんですが、これは四十七士をいろはにほへとの仮名に宛てているんですね。これを七文字ずつ区切ると最後の文字が「とかなくてしす」(咎無くて死す)罪がないのに死んだになるんです。

藤村 すごいよくできている。そんなところを歩いてきましたよ!

北川 え、あらすじを聞いて、感想もダイジェスト?

――ちなみにseason2で思い出に残っていることはありますか?

北川 雨の日に桜を見に行った回。

――2017年の駒込回ですね。

藤村 雨降っているのにあんなにきれいに桜が撮れるんだと感動しました。

――その後旧古川庭園でバラも見ました。

北川 全然咲いてなかったよね。

――バラは5月以降だそうなので、桜と一緒は難しいですね。

藤村 あとは降りたことのなかった鶯谷とか。揚げパン食べましたよね。

北川 今回これで締めるの?

――では一応お伺いしますが、高輪ゲートウェイに思い出の曲はありますか?

藤村 ……。降りたことない駅だったので。曲作ります? 「高輪ゲートウェイ」とか。

北川 ふざけるな!



INFORMATION



◆北川勝利

坂本真綾「タイムトラベラー」

作詞:坂本真綾 / 作曲編曲:北川勝利

※2023年5月31日発売 坂本真綾 11thアルバム「記憶の図書館」収録曲

坂本真綾LIVE TOUR 2023「記憶の図書館」ライブサポート

2023年6月2日スタートで、名古屋、大阪、東京。

ツアー詳細はこちら

https://www.jvcmusic.co.jp/maaya/live_2023/

やなぎなぎ「ユキハルアメ」

作詞:やなぎなぎ / 作曲編曲:北川勝利

2023年6月28日発売

※『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』アニメ化10周年記念ソング

花澤香菜 「HANAZAWA KANA Live 2023 “Not As Dramatic As…”」ライブサポート

2023年5月20日(土) 開場16:00/開演17:00

会場:ウェスタ川越 大ホール

ライブ詳細はこちら

https://hanazawa-kana.com/news/archives/4875

◆藤村鼓乃美

近藤玲奈「LemonAid LOVE」

作詞:藤村鼓乃美 作曲・編曲:鶴崎輝一

※近藤玲奈2ndシングルカップリング収録

関連リンク



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