これ、もしかして有事にらんでます?

姉妹船「ナッチャンWorld」は今も日本で運航中

 台湾(中華民国)外交部は2023年4月20日、高速フェリー「麗娜輪」(リーナールゥン)が5月3日より、台湾南部・台南市の安平港と、台湾海峡に浮かぶ離島・澎湖の馬公港を結ぶ路線に就航すると発表しました。

「麗娜輪」は、かつて東日本フェリーが運航していた高速フェリー「ナッチャンRera」です。「ウェーブピアサー」と呼ばれる双胴高速船型が特徴で、ディーゼルエンジン4基のウォータージェット推進により、最大速力約37ノット(約68.5km/h)という高速航行が可能です。


高速フェリー「麗娜輪」(画像:台南市)。

「ナッチャンRera」は2007年9月に就航すると、2008年11月に定期運航から離脱するまで青森港と函館港を結ぶ青函航路で用いられていました。

 その後、2012年10月に台湾へと売却、一時は台湾東海岸や、中国本土の平潭県(平潭島)とを結ぶ航路などで用いられたものの、近年は活用されることなく基隆港などで係留状態に留め置かれていた模様です。

 それが、このたび復活することとなりました。「麗娜輪」の旅客定員は800人、前述した高速性を活かして、台南市〜澎湖島間を約2時間で結ぶ予定です。

 運航は週3往復で、平日の水曜と金曜は台南市の安平港を午前9時に出発、復路は澎湖の馬公港を午後4時30分に出発。週末の日曜は安平港を午後2時30分に出発、馬公港を午後8時に出発するダイヤとなっています。

 往復運賃はエコノミークラスが2000台湾元(日本円で約8800円)、ビジネスクラスが3000台湾元(同約1万3000円)、最上級のファーストクラスは4000台湾元(同約1万7000円)だそう。なお、排気量250cc以下のバイクであれば積み込むことも可能(有料)です。

 説明によると、すでに大手旅行会社が乗船券の取り扱いを開始しているほか、「麗娜輪」公式WEBサイトでも予約できるとのこと。なお、今年の運航は10月までの予定です。

 ちなみに、姉妹船である「ナッチャンWorld」は、日本国内にある特別目的会社「高速マリン・トランスポート」が運航しており、自衛隊の車両輸送などで各地に姿を見せています。