フィリピン沖を抜けて沖ノ鳥島近海まで来訪。

日本海側の京都・舞鶴からも護衛艦を派遣

 防衛省・統合幕僚監部は2023年4月17日(月)、中国海軍のクズネツォフ級空母「山東」を含む複数の中国海軍艦艇が日本近海、太平洋上の海域を約1週間にわたって航行し続けていると発表しました。

 明らかにされたのは10日(月)から16日(日)にかけてのもので、位置は宮古島の南南西から沖ノ鳥島近傍にかけてだとのこと。


中国海軍のクズネツォフ級空母「山東」(画像:統合幕僚監部)。

 陣容は空母「山東」のほかに、レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイII級フリゲート1〜2隻、フユ級高速戦闘支援艦1隻、フチ級補給艦1隻で、これらが日によって構成を変えながら艦隊を組んで航行していたそう。なお、日本に最も近かったのは12日(水)で、そのときは宮古島の南約220kmの位置にいたといい、なおかつ15日(土)には、沖ノ鳥島の南東約370kmにもいた模様です。

 この間に中国海軍の空母「山東」では艦載戦闘機による発着艦を約140回、同艦載ヘリコプターによる発着艦を約70回、合計で約210回の航空機による発着艦を確認しています。

 これに対し、海上自衛隊は広島県の呉基地を母港とする第4護衛隊所属の護衛艦「さざなみ」や京都府の舞鶴基地を母港とする第14護衛隊所属の護衛艦「あさぎり」によって、所要の情報収集・警戒監視を行ったほか、艦載戦闘機の発着艦に対しては、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させるなどして対応したそうです。