鉄道はあと1年で消滅してしまいますが…

少しずつ確実に前進中


根室本線の富良野〜新得は2024年3月末で運行終了(画像:写真AC)。

 一部区間で不通が続くJR根室本線の富良野〜新得間(81.7km)が、来年3月末をもって運行終了、廃止となります。これにより、旭川と新得・帯広方面を直結する鉄道広域ルートは消滅し、実質的に札幌市街経由のみとなります。

 一方で、廃止区間とほぼ同じ機能を持つ高速道路「旭川十勝道路」(延長約120km)の整備が進められています。

 この道路は道央道・旭川北ICから南下し、道東道の占冠ICまでをむすぶ予定。JR富良野線とJR根室本線のルートと並行し、旭川や道北と道東方面との短絡ネットワークを形成します。

 壮大なプロジェクトとなることから整備には優先順位が付けられ、まずは市街地の渋滞対策を兼ねて、旭川市内と富良野市内の工区が先行して事業化しています。

 旭川市内では、2022年に旭川空港へ直結となる5.5kmの「旭川東神楽道路」が開通。現道の暫定2車線・4車線部分とあわせて、旭川北ICから空港まで「一応」一本の道路でつながった形です。

 富良野市内では、市街西部の朝日が丘を丸ごとトンネルで抜ける「富良野道路」8.3kmが2018年に開通済み。さらに北側で「富良野北道路」5.7kmが事業化済みで、すでに高架橋脚が姿を表してきています。この開通で、ようやく旭川方面からの車は富良野市街の混雑を完全スルーできることになります。

 さて、そこからさらに北に伸びる「中富良野〜上富良野」も、北海道開発局の2023年度の「計画段階評価を進めるための調査」の対象にリストアップされています。このリストに載るのは今年度がはじめて。3年以内に概略ルートが決まり、そこから都市計画決定や環境アセスメントの手続きが進められ、事業化を待つ段階へ移行すると思われます。

 山岳区間を含むそれ以外の部分はまだそれ以前の段階です。JRは富良野以南が来年に消滅しますが、高速道路がそれに代わるのはまだ長い時間を必要としそうです。