小田急多摩線もいずれここに伸びてくる?

2024年度に土地利用計画を策定

 JR横浜線の相模原駅北口の街づくりが本格的に動き出しそうです。相模原市は2023年4月10日、「相模原駅北口地区土地利用計画検討支援業務」を委託するための公募型プロポーザルを公告。今後は具体的な導入機能の検討が深度化する見通しです。


横浜線の車両(画像:写真AC)。

 相模原駅北口には、約214ヘクタールの米軍相模原補給廠があり、2014年に一部返還(約17ヘクタール)が実現。このうち、道路・鉄道用地を除いた約15ヘクタールについて相模原市が土地利用に向けた調査や検討を行ってきましたが、当初は具体的な施設の導入方針を決定するまでには至りませんでした。その後、2020年5月にまちづくりコンセプト、2022年5月に土地利用方針を策定し、2023年3月には「土地利用計画の方向性」を取りまとめています。
 
 市は「相模原駅北口地区土地利用計画」の策定に向け、検討支援業務を委託する事業者を公募型プロポーザルで決定するとしており、4月10日に募集要項を公表しています。今後は2023年6月に事業者と契約を締結し、2024年度に土地利用計画を策定する見通しです。
 
 この土地利用計画では、導入する具体的な施設の用途や位置、規模などを定めるとしています。市は土地利用の案として「にぎわい機能を備えた中層低密度・ライフ重視ケース」「職住近接高層高密度・イノベーション重視ケース」「スタジアム・商業を核とした高層高密度・交流重視ケース」を基本に検討を深度化していく方針です。

小田急延伸にスタジアム整備案も 盛り沢山の開発計画

「土地利用計画の方向性」では、開発の大まかなビジョンが決定されています。その中でも特徴的なのは、将来的な小田急多摩線の延伸を見据えて「南北道路」を整備し、道路下を延伸部の導入空間となるよう準備しておくという点です。

 小田急多摩線は、終点の唐木田からさらに南へ延伸し、相模原駅を経てJR相模線の上溝駅へ接続する構想が、国土交通省から挙がっています。都心直結ルートを持たない相模原エリアにとっては悲願となるものです。事業化の準備段階には鉄道を核としたまちづくりが必要となることから、先んじて動きを見せていると言えるでしょう。

 その他開発ケースとして「にぎわい機能を備えた中層低密度・ライフ重視ケース」では、中層共同住宅をメインに、地域型ホールや商業、コワーキングスペースなどを組み込んだオフィスを配置することを視野に入れています。

「職住近接高層高密度・イノベーション重視ケース」では、研究開発やインキュベーション関連のオフィスを配置。高層住宅や大規模商業施設も整備することを想定しています。

「スタジアム・商業を核とした高層高密度・交流重視ケース」では、スタジアムを地区の中央に配置し、商業や宿泊機能と複合化。高層住宅やオフィスも設けるとしています。