握手を交わすマクロン仏大統領(左)と中国の習近平国家主席(ロイター提供)

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(パリ中央社)フランスのマクロン大統領が台湾情勢を巡り、欧州は米中のどちらにも追随すべきではないとの考えを示したことについて、国際議員連盟「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)は10日、声明を出し、マクロン氏の発言は欧州を代表するものではないとの立場を示した。

マクロン氏は5日から3日間、中国を訪問し、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長と共に習近平国家主席と会談。9日付の仏紙などにインタビューが掲載された。

同連盟は声明で、マクロン氏の発言に「失望した」と言明。中国はウクライナを侵攻したロシアを「支持している」などとした上で、「台湾に無関心だとのメッセージを送る最悪のタイミングとなっただろう」と指摘した。

マクロン氏の発言は世界の議員と「全く歩調が合っていない」とも批判。一方的な現状変更に反対する姿勢を強調し、「台湾の人々の民主的な声は尊重されるべき」だと訴えた。

同連盟は日本や英国、オーストラリア、カナダ、欧州、台湾などの国会議員で構成される。声明には欧州諸国をはじめとした15カ国の議員が署名した。

外交部(外務省)の劉永健(りゅうえいけん)報道官は11日、マクロン氏の発言について、フランスはこれまで台湾海峡の平和と安定に関心を寄せてきたとし、「フランスの一貫した立場と主張だ」との考えを示した。同連盟の声明に対しては謝意を表明した。

(曽婷瑄、呉昇鴻/編集:楊千慧)