どうすれば? 道路で「静かに」見かけたら そもそも標識としての意味あるの?
一般道のほか高速道路でも「静かに」と書かれた看板を見かけることがあります。では見かけたらどうすればよいのでしょうか。また、なぜその場所に設置されているのでしょうか。
場所によって図柄が微妙に異なるワケ
高速道路などを走行中、青地に白字で「静かに」の文字や寝ている子どもの顔が描かれた標識を見かけることがあります。見かけたらどうすべきなのでしょうか。
首都高速道路に設置されている「静かに」標識(画像:写真AC)。
ある道路管理者によると、これが設置されているのは、医療施設や学校が至近に立地し、騒音に関する意見が過去に多く寄せられた場所だそう。騒音に関する環境基準は満たしているものの、ドライバーへ静かな走行をお願いするためだといいます。
そして見かけた際は、急発進や急減速、不要な警笛を控えてほしいとのこと。つまり騒音の発生する運転はしないようにということです。
ところで、この標識は最高速度や駐車禁止などと同様の「道路標識」なのでしょうか。実は2023年現在、道路標識について定めた標識令(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令)には記載がなく、法定の道路標識ではありません。ただし、この法令の前身である旧「道路標識令」(1960〈昭和35〉年以前)には、「指導標識」のひとつとして規定。これは速度制限や重量制限などと同じカテゴリでした。
現行法令の施行にあたり、旧指導標識はその多くが規制標識や指示標識に変更されたものの、「静かに」は引き継がれず廃止されたのです。現行では、道路管理者が必要に応じて設置しています。その証拠に、道路や場所によって図柄が微妙に異なり、様式は一定ではありません。
旧指導標識時代の「静かに」は、農村部の集落内などでまれに残されていることがあります。多くは錆びつくなど朽ち果てていますが、周囲に病院などがないケースでは、「静かに(走る)」=「ゆっくり走る」といった意味合いもあったのかもしれません。旧「静かに」がどのような場面を想定し設置されていたのか、過去に国土交通省道路局へ尋ねたところ、「当局にも警察にも資料が残っておらず、いまとなってはハッキリしません」との回答でした。