ANA「サーバーダウンで55便欠航」原因や対策は? 「サイバー攻撃&データの外部流出」はナシ
2万人以上が影響を受けました。
2万人以上が影響
ANA(全日空)では2023年4月3日、国内線システム不具合が発生。この影響で55便が欠航し、遅延などを含めると2万人以上が影響を受けました。同社は4月7日、その発生原因について原因が判明し、再発防止策をとりまとめたと発表しました。
ANAの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。
ANAの国内旅客システムは同じ機能を持つ2つの系統(A系、B系)で構築されており、平時は1つを稼働させ、もう1つはバックアップに使用しています。A系のシステムとB系のシステムは、定期的に入れ替えて稼働させており、予約・販売・搭乗手続き・旅客への情報配信システムなどにつながってるといいます。A系とB系は、それぞれ2つのデータベースを有しています。
ANAグループは、今回の不具合の原因を次のように説明します。
・予約管理支援システムへのデータ抽出の際に、A系のデータベース1に予期せぬエラー(データ抽出処理のプログラムに問題はなく、複数のデータ抽出処理を並列で同時に実行することによるデータベースの偶発的なエラー。担当者によると非常にまれに起きるエラー)が発生し、データベース1がフリーズした。
・上記の影響が想定以上に引いたためA系のデータベース2が高負荷状態となり、14時16分に監視プログラムによりA系のデータベース1・2がほぼ同時に停止。予約・販売・搭乗手続きができなくなる。
・15時11分にA系からB系への切り替えが完了し、徐々に予約・販売・搭乗手続きシステムが復旧。
同社によると、今回のシステム不具合はサイバー攻撃ではなく、データの外部流出もないとしています。
ANAは予約管理支援システムへのデータ抽出方法の改修、データベースが2台同時に停止しないよう、監視プログラムの設定を変更することで、再発防止策を講じるとしています。