見かけたらどうすれば…? 激レア標識「高・中速車」 路面には「40高中」その意味は
最高速度を表す道路標識に、まれに「高・中速車」といった補助標識が付いていることがあります。路面にも最高速度の数字のほか「高中」の表示が。これらは何を意味しているのでしょうか。
30年前の生き残り!
街なかで見かける最高速度を示す道路標識は、「40」などの数字が書かれたものです。規制区域の始終点では、その数字の下に「→」「←」といった補助標識が付随しますが、まれに「高・中速車」といった表示がなされている場合があります。
標識だけでなく路面標示にも、オレンジ色で上から順に「40高中」と書いてあることがあるのです。「40」は最高速度を表すものと理解できますが、「高中(速車)」とは何でしょうか。
レアとなった「高・中速車」標識(画像:Google)。
警察庁によると、これらは「高速車および中速車の最高速度は40km/h」という意味だとしています。かつては車両の種類によって「高速車」「中速車」「低速車」の3区分が存在し、それぞれ最高速度が60km/h、50km/h、30km/hと異なっていました。
「高速車」は大型乗用自動車(バスなど)や普通自動車、排気量250cc以上の自動二輪車などを、「中速車」は大型貨物自動車や排気量250cc以下の自動二輪車などを、「低速車」は原動機付自転車をそれぞれ指します。
ただし2023年現在は、一般道の最高速度は原付が30km/h、それ以外は60km/hです。つまり「高中低」の区分はありません。1992(平成4)年11月の最高速度の改正に伴い、この区分は廃止されています。
もちろん標識や標示も同時に廃止されたため、現在この標識を見かけても、法的効力はないといいます。廃止から30年が経過しても見かけるのは、たまたま撤去されずに残ったもの。現に見かける標識や表示は、ほとんどが色あせたものや消えかかったもので、特に古い道にひっそりと残っていることがあります。
廃止当時、これらの撤去方針は都道府県によっても異ったようで、多く発見されている県もあれば、皆無の県もあります。特に積雪の多い地域は、もともと路面標示が少ない傾向にあり、探すとなるとほかの地域より難しいかもしれません。