Googleが2023年4月5日に、データやアカウントの削除オプション提供を義務づけるGoogle Playストアの新しい「データ削除ポリシー」策定を発表しました。これにより、Androidユーザーは2024年からアプリのオプション画面やGoogle Playストアなど、アプリの内外からユーザー情報の削除をリクエストすることが可能になります。

Google Play のアプリ アカウントの削除要件について - Play Console ヘルプ

https://support.google.com/googleplay/android-developer/answer/13327111



Android Developers Blog: Giving Users More Transparency and Control Over Account Data

https://android-developers.googleblog.com/2023/04/giving-people-more-control-over-their-data.html



Google will require Android apps to let you delete your account

https://www.bleepingcomputer.com/news/google/google-will-require-android-apps-to-let-you-delete-your-account/



これまでも、Androidアプリの多くはデータやアカウントを削除するオプションを提供していましたが、その機能が実装されていてもGoogleのPlayストアで「データを削除するようリクエストできます」と強調表示されるにとどまっていました。



今回Googleが発表したポリシーでは、これまでの取り組みから一歩踏み込んで、より簡単かつ一貫性のある方法でユーザーが自分のデータをコントロールできるようになります。

具体的には、アプリ内からアカウントを作成できるアプリに対して、アカウントの削除をリクエストできるようにする機能の追加が義務づけられます。この削除オプションはアプリ内外からすぐに見つけられるようになっていなければなりません。

この場合の「アプリ外」とは、ユーザーがアカウント削除のためにわざわざアプリを再インストールしなくても、アカウントやデータの削除をリクエストできるということを意味します。そのため、アプリ開発者はウェブベースの削除オプションも提供する必要があります。

Googleが一例として示したイメージ図が以下。自分のアプリデータを削除したいユーザーが、Playストアのアプリのページにアクセスしています。



下にスクロールすると、「データを削除するようリクエストできます」との表示があるため、それをタップします。



すると、データの削除に関するオプションや、アカウントを削除するためのリンクが表示されました。



ユーザーからアカウントの削除がリクエストされた際には、そのアカウントに関連付けられているデータも削除されますが、全て消去することを望まないユーザーは、アクティビティ履歴や画像、映像など個別のデータを選択して消去できます。また、セキュリティ上の必要性など正当な理由でデータを保持する必要があるアプリ開発者は、そのデータの保有方法を明確に開示しなくてはなりません。

新しいポリシーは2024年初頭から本格的に適用されるため、アプリ開発者は2023年12月7日までにデータ削除の実施方法についての質問に対する回答をデータセーフティフォームに送信することが求められます。そして2024年初頭以降から、Playストアにあるアプリのデータセーフティセクションに、新しいデータ削除バッジが表示されるようになります。

アプリ開発者は、2024年5月31日まで期限の延長を申請することができますが、この期日を超過するとポリシーに従っていないアプリはPlayストアから削除されてしまう可能性があります。

Googleに先駆けて、Appleは2022年6月からアカウントの削除機能を義務化していました。Googleは今回の新ポリシーの施行により、「ユーザーに対してはユーザーデータの透明性を高め、データを自分で管理できるようにすると同時に、デベロッパーに対してはユーザーデータを責任を持ってどう取り扱っているかを示す方法を提供します」としています。