続いてUH-1Y多用途ヘリも引き渡されるそう。

チェコ国内にはシミュレーターも設置

 チェコ国防省は2023年4月3日、テキサス州アマリロにあるベル・テキストロン社の工場で、新型戦闘ヘリコプターAH-1Z「ヴァイパー」の引き渡し式典が実施されたと発表しました。

 同機は、チェコ空軍が運用するMi-24V「ハインド」攻撃ヘリコプターの更新用として調達されたものです。チェコ国防省ではAH-1Z「ヴァイパー」とともにUH-1Y「ヴェノム」多用途ヘリコプターの取得も進めており、こちらはMi-171S多用途ヘリコプターの後継になります。


チェコ軍向けAH-1Z「ヴァイパー」戦闘ヘリコプターのイメージイラスト(画像:チェコ国防省)。

 両機種とも初飛行から約半世紀が経過しており、性能的に陳腐化が進んでいるため、チェコ政府はアメリカから新たなヘリコプターを導入することを決め、2019年に契約に署名していました。

 現時点で確定している調達数はAH-1Zが6機、UH-1Yが2機とのこと。これらはウクライナ支援を続けるチェコへの配慮として、アメリカからの無償供与になるとのこと。このほかにチェコが有償で購入する機数を合わせると、最終的には各機種10機ずつの計20機を調達する予定となっています。

 すでにチェコ空軍のパイロットや整備員たちは、カリフォルニア州にあるキャンプ・ペンドルトン海兵隊基地で教育訓練を受けています。またチェコ国内には新たにヘリコプタートレーニング用のシミュレーションルームが造られており、以後は同国内で教育訓練が行える環境が整えられるとのこと。

 アメリカは機体だけでなくスペアパーツや整備に必要な周辺機器、エンジン始動用の電動ユニットなどもチェコに引き渡すとしており、今年5月ごろまでに最初のAH-1Z「ヴァイパー」がチェコ国内にフェリーされ、UH-1Y「ヴェノム」もそれに続く予定だそうです。