2023年3月に開設したJR京葉線の新駅「幕張豊砂駅」は、直線距離で見ると「千葉運転免許センター」の至近に位置します。ただ、実際に海浜幕張駅に変わる最寄り駅となったかというと、実は現在のところ“NO”です。

直線距離にして約650m

 2023年3月、JR京葉線の新習志野〜海浜幕張間に新駅「幕張豊砂駅」が開業。イオンモール幕張新都心をはじめ幕張ベイエリアのアクセス性が向上しましたが、実はもうひとつ、千葉県民にとって重要な施設に近い駅でもあります。それは「千葉運転免許センター」。同駅の開設で、免許センターへのアクセスは改善したのでしょうか。


幕張豊砂駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 これまで免許センターへ公共交通を用いてアクセスする方法はおもに2パターンがありました。海浜幕張駅からバス(所要時間約5分)または徒歩(同約15分)、あるいはJR総武線・京成電鉄の幕張本郷駅からバス(同約10分)を利用する方法です。

 地図アプリによると、従来の最寄り駅であった海浜幕張駅から免許センターまでは直線距離にして約1kmでしたが、幕張豊砂駅からは約650mになりました。しかし、海浜幕張駅に変わる最寄り駅になったかというと、実は現在のところ”NO”です。

 まず幕張豊砂駅と免許センターを結ぶバスは2023年4月現在運行されておらず、徒歩がおもなアクセス手段となります。そして、徒歩のケースでも、これまでどおり海浜幕張駅から歩いて行く方が、実は近いのです。

「歩いて行っても海幕が近い」…なぜ?

 現在の幕張豊砂駅が「千葉運転免許センターの最寄り駅」とならない理由は、駅の構造にあります。

 実は同駅の改札口は南西側、つまり海側にしかありません。改札と反対方面には京葉線と武蔵野線の車両が所属する車両基地「京葉車両センター」がありますが、これをまたぐ陸橋などは架けられておらず、遠回りせざるを得ないのです。


千葉運転免許センター(乗りものニュース編集部撮影)。

 海側にある幕張豊砂駅から内陸側の免許センターまでは、京葉車両センターを迂回するように、いったん海浜幕張側まで歩いて高架をくぐり、また幕張豊砂方面へ戻る必要があります。

 ちなみに免許センターは公式ページ上で、幕張豊砂〜免許センター間は「徒歩で約20分」と公開。編集部員が実際に歩いたところ、21分かかりました。なお、免許センターで地図アプリを起動し徒歩での経路を調べると、海浜幕張駅までは18分だったのに対し、幕張豊砂駅までは30分と表示されています。

 地図上では「千葉運転免許センターの新たな最寄り駅」となる幕張豊砂駅ですが、現在のところ、これまでと変わらず「海浜幕張駅を使って行く」のがベストな選択といえるでしょう。