M113は派生型含め世界で8万両造られたとか。

20年で3000両の調達を計画

 アメリカ陸軍は2023年3月中旬、実戦部隊に新たな装甲戦闘車両「AMPV」の引き渡しを開始したことを明らかにしました。

 新型AMPVが配備されたのはジョージア州フォートスチュワートに駐屯するアメリカ陸軍第3師団第1旅団戦闘団です。


アメリカ陸軍第3歩兵師団第1旅団戦闘団に配備されたAMPV(画像:アメリカ陸軍)。

 AMPVは「Armored Multi-Purpose Vehicle」の略で、日本語では「多用途装甲車両」と訳されるものです。M2「ブラッドレー」歩兵戦闘車やM109A7「パラディン」自走榴弾砲と共通のパワートレインや足回りを備えており、整備や補給の面で現場の負担を軽減できるとしています。

 バリエーションは5つあり、基本となる兵員輸送(汎用)型、指揮通信の基幹となる作戦統制型、火力支援を行う自走120mm迫撃砲型、前線で負傷者救護を行う医療処置型、重篤な患者を後送するための装甲救急車型があります。

 従来、このような支援用の装軌式戦闘車両にはM113装甲兵員輸送車が用いられていました。M113は1950年代後半に開発され、196年代初頭から用いられている息の長い戦闘車両で、いまでもアメリカ陸軍では約5000両が現役使用されています。

 ただ、エンジンやサスペンションの更新はされているものの、さすがに老朽化が進んでおり、アメリカ陸軍は2013年ごろから後継の導入を模索してきました。

 AMPVはM113と比べて防御力に優れ、高い生残性を有しているそう。生産はペンシルベニア州ヨークのBAEシステムズで行われるとのことで、アメリカ陸軍では今後20年で各型合わせて約3000両の導入を計画しています。