アメリカのテキサス州で発生した自動車の盗難事件が銃撃事件に発展しました。地元警察によると、車の持ち主が車内に置いていた「AirTag」を使って窃盗犯を追い、犯人を射殺したとのことです。

Robbery victim tracks thief with AirTag, gets broken nose | AppleInsider

https://appleinsider.com/articles/22/08/03/robbery-victim-tracks-thief-with-airtag-gets-broken-nose

Truck thief gunned down by owner after AirTag gives away location | AppleInsider

https://appleinsider.com/articles/23/04/01/truck-theft-ends-fatally-after-owner-tracks-suspect-with-airtag

Appleが開発した落とし物トラッカーの「AirTag」を使うと、世界中にある数億台のiPhone・iPad・Macデバイスのネットワークを利用し、落とし物の位置を特定することができます。

何かと便利なAirTagですが、落とし物を追跡するという本来の使い方を逸脱し、ストーキングなどの犯罪行為に使う例もこれまでに数多く報告されています。

Appleの落とし物トラッカー「AirTag」はストーキングを助長している - GIGAZINE



テキサス州サンアントニオ警察によると、現地時間の2023年3月29日にピックアップトラックを盗まれたオーナーがAirTagを使って車両を追跡し、車内にいた容疑者に向けて発砲したとのこと。

サンアントニオ警察は同日午後1時頃に盗難車の通報を受けて捜査を開始しましたが、オーナーは警察より先に車両の位置を特定することに成功していました。オーナーは警察を待つことなく窃盗犯と接触。何が起こったのかは正確には不明ですが、窃盗犯が銃器を取り出したため、オーナーも対抗して銃を向け、撃ち殺したと報じられています。



この件に関して、オーナーが告訴されるかどうかは不明であり、窃盗犯がそもそも武器を持っていたかどうかについても調査が進められています。

サンアントニオ警察の広報担当者は「イライラするのはわかりますが、どうか自分の手で問題を解決しようとしないでください」と述べました。

AirTagを使って悪事を暴こうとする試みはこれまでにも行われており、ロストバゲージを防ぐために手荷物にAirTagを忍ばせたところ、航空会社のウソが露見したという体験談も報告されています。

スーツケースに忍び込ませたAppleの落とし物トラッカー「AirTag」が航空会社のうそを暴く - GIGAZINE



2023年2月には、同じく車泥棒をAirTagで追跡できたことが報告されていますが、こちらは警察とのカーチェイス中に車両が大破してしまっています。2022年にはバイクの窃盗犯を追いかけた人物の話が報じられましたが、この人物は窃盗犯からの反撃を受けて鼻を骨折しました。

また、暴力を伴わずに車を取り戻した例も報告されています。

盗まれた車をAppleの「AirTag」で取り返したという報告 - GIGAZINE