将来的には有人機は体長機だけになるかも?

将来的な無人機と有人機共同任務のために

 エアバス・ディフェンス・アンド・スペースと同社の完全子会社であるエアバスアップネクストは2023年3月28日、空中給油機である「A310MRTT」を使用して、飛行中のターゲットドローン「DT-25」の自律誘導と制御に成功したと発表しました。
 
 両社はこれを、「自律編隊飛行」と「自動空中給油」に向けた最初のステップであり、将来的な空中作戦に向けた重要な到達点であるとしています。


速度を合わせる「A310MRTT」とターゲットドローン「DT-25」(画像:エアバス・ディフェンス・アンド・スペース)。

 スペインのヘタフェにある空軍基地で行われたこのテストは約12時間続き、A310MRTTが自律機能を使用し、8機のドローンを誘導。最短約45mの距離にまで近づけられ、速度を合わせた飛行が行われました。

 エアバスディフェンスの技術者によると、ここまで接近して速度を合わせられるのは、空中衝突を回避するように設計された制御アルゴリズムが正常に動いているからとのことです。

 今回のテストはA310MRTTが、自律飛行するドローンに自力で給油する長期的なプロジェクトの一環で、有人戦闘機と戦闘用ドローンが共同で飛行する将来の空軍作戦に向けて研究が続けられています。

 空中給油の自動化に関して既にエアバスは世界をリードしており、自動空中給油システムである「A3R」の開発をほぼ終えています。これは、空中給油機の給油ブームが受け手の航空機の給油口めがけて自動で伸びていくというもので、オペレーターの負担が軽減されるだけではなく、今回のドローン給油に向けた実験にも応用されています。