「全国どこでも6600円」をうたったものの、サーバーダウンにより販売中止に至った「JALスマイルキャンペーン」が、再度発売されます。どのような変更とサーバー対策を講じているのでしょうか。

条件はほとんど変更なし…?

 2023年3月31日より2日間、JAL(日本航空)の「JALスマイルキャンペーン」国内線航空券タイムセールが開始します。このセールは、2023年3月9日0時から販売が開始されたものの、想定外のアクセスが殺到したことで公式サイトなどが繋がらなくなり、同日14時に販売中止に至った経緯があり、今回の発売はそのリベンジとなります。今回はどのような変更・対策を講じているのでしょうか。


JALの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

 新たな「JALスマイルキャンペーン」国内線航空券タイムセールでは、2023年4月22日から28日までの搭乗分を対象に、国内線全路線一律で片道6600円を基本とする格安の運賃を設定。休日も同一価格で提供されるほか、小児割引で片道4950円など、搭乗者や路線によっては、さらに割引の価格で航空券を購入できます。

 同社の赤坂祐二社長は最初のセール中止後の記者会見で、キャンペーン内容や条件について、「前回ご案内した条件とできるだけ同じ内容としたい」と話しており、おおむね前回のセール内容を踏襲した形です。

 通常JALの予約システムは、1時間あたり3万人程度がアクセスする状況が標準的であったものの、前回のセールでは、100万人規模の人数が一斉にアクセス。JAL側でも、キャンペーンに備え40万人くらいに対応できるよう準備していたものの、想定を大きく上回るアクセス数にシステムが対応できず、販売中止を余儀なくされました。

 そのため、今回のセールでは、予約システムに過度なアクセスが殺到しないよう、さまざまな運用変更が見られます。

サーバーダウンを防ぐためのJALの”戦略”

 31日からの国内線航空券タイムセールに備え、JALのWebサイトでは、開始30分前の30日23時30分より「仮想待合室」という新たなページを設置します。これは、セール運賃の購入希望者を「仮想待合室」で待機させ、順番に予約サイトへアクセスできるようにするというものです。

 セール開始直前にアクセスした購入希望者は抽選でアクセスできる順番が決まります。その後、セール開始以後に「仮想待合室」へ入室した購入希望者について、先着順で「仮想待合室」から予約サイトにアクセスできるようになります。


JAL「仮想待合室」についての説明ページ(同社公式サイトより)。

 また、前回のセールでは購入希望者が殺到したことで、セールとは無関係に通常購入を希望する人なども、予約サイトにアクセスできなくなったことが、セール中止の要因になりました。そのため、「仮想待合室」では「国内線タイムセール以外のお客さまはこちら」という選択肢を設け、タイムセール購入希望者以外は、順番待ちをすることなく手続きができるようにするとしています。

 このほか、セール運賃で購入できる対象搭乗期間も短く区切って売り出すことで、アクセスの分散を図ります。前回は1度目のセールで4月14日から5月31日の搭乗日を対象に、2度目のセール(未実施で終了)で6月1日から30日まで搭乗日を対象としていました。

 31日からの再セールでは、販売期間は前回と同じく2日間としながらも、先述のとおり2023年4月22日から28日まで6日間の搭乗分を対象にしています。