マリ派遣のドイツ軍PKO部隊でも拠点防衛用に使ったそう。

35mm機関砲塔は最大8基まで統制OK

 ドイツ空軍は2023年3月17日、スロバキアに「MANTIS(マンティス)」防空システムを供与すると発表しました。

 両国の軍関係者は15日に会談を行っており、そこで合意に至ったとのこと。システムの引き渡しは2023年10月までに完了する予定だといいます。


「MATIS」防空システムの35mm機関砲塔(手前)とセンサー(画像:ドイツ空軍)。

「MANTIS」は都市インフラや軍事基地、作戦拠点などを24時間、昼夜問わずカバーできる中低高度の防空システムで、ユニットは射撃管制センター(指揮統制装置)、センサー(レーダーシステム)2基、および複数の35mm機関砲塔で構成されるとのこと。なお、機関砲塔は最大8基までひとつの指揮統制装置でコントロール可能です。

 センサーは捜索レーダー、照準レーダー、IFF(敵味方識別装置)で構成され、このほかに光学照準用としてTVカメラ、赤外線カメラ、レーザー測距儀(距離計)も搭載しています。

 機関砲塔は、毎分1000発の射撃速度を有し、一斉射は36発。360度の旋回可能で、有効射程は約3kmだといいます。
 
 拠点防空用ではあるもの、すべてのユニットが可搬式で、重量も射撃管制センターが約1.78t、センサーが1基約3.5t、35mm機関砲塔が1基約5.8tのため、大型トラックやトレーラーに積載して、運搬することが可能です。

 すでに、西アフリカのマリに派遣されたドイツ連邦軍PKO(国連平和維持活動)部隊で、現地の警戒システムとして運用された実績もあることから、このたびスロバキアの対ウクライナ国境防衛用として白羽の矢が立った模様です。