下北沢・高円寺から新橋へ。ドリア専門店が移転オープン

下北沢から高円寺と、場所を変えて営業してきた人気のドリア専門店「ドリア屋 松栄」が、新橋に移転。新橋駅の烏森口から徒歩30秒、銀座駅からでも徒歩7分という好立地にあるビルの2階。
「ドリアだけで営業中」のインパクト大な看板はそのまま、ダイニング居酒屋「izakaya ハーリー(イザカヤ ハーリー)」を間借りする形で、ランチのみ営業しています。

看板の上には写真付きのメニューが! ワクワクしながら階段を2階に上がります。

窓際のカウンター席からは、新橋らしい賑やかな街並みが目に入ります。

ダイニング居酒屋を間借りしているということもあり、カウンター席が多め。テーブル席もあるので、4名程度までならグループでも入店しやすそうです。

メニューはすべて定食スタイル。ドリアは数種類のなかから好みをチョイスでき、日替わりのサラダと小鉢が必ずセットで付いてきます。
季節の素材を使うことを大切にしているので、メニューは不定期で入れ替わります。公式Instagram(@matuei_d)で随時アナウンスされるので、食べたいと思ったドリアがあったら早めに足を運びましょう♪

日本発祥のドリアをフレンチシェフならではの視点で発信

西洋料理のように見えて、実はドリアは日本生まれの料理。1930年頃、横浜のホテルで初代総料理長を務めていたサリー・ワイル氏が、体調を崩した欧州の銀行家から「何かのど越しのいいものを」とのリクエストを受けて、創作料理を即興で提供しました。
もともと、フランスの名料理人・エスコフィエの料理書に「Homard Tourville(オマール海老のトゥールヴィル風)」という料理(リゾットにオマール海老などをのせて、チーズをかけてオーブンで焼いたもの)があり、これがドリアのルーツだといわれています。
ワイル氏はそれをオマージュし、バターライスに芝エビのクリーム煮とベシャメルソース(ホワイトソース)をかけ、オーブンで焼き上げて提供。この料理こそが、“現在知れ渡っている”ドリアの原型であるといわれているのです。

「海老とフレッシュトマトのドリア 大葉風味」1000円

「ドリア屋 松栄」のシェフはフレンチ出身として、フランス料理にインスパイアされた日本生まれの料理「ドリア」をさらに進化させるべく、自分なりに研究しているそう。
なかでもそんなドリアの“原型”への思いを込めたのが、看板メニュー「海老とフレッシュトマトのドリア 大葉風味」です。

こんがりとしたチーズの焼き目、大ぶりの海老とあざやかなトマト、日本独自の香草としてプラスしたという大葉のソースと、華やかな見た目に食欲をそそられます。

「ドリア屋 松栄」のドリアは、ソースとご飯が主役。
素材3〜4品のみでシンプルに仕上げるフレンチのスペシャリテに倣い、ソースとご飯のみでも成り立つように作っているそう。海老やトマト、大葉ソースは、あくまでも主役のソースとご飯を引き立てる名脇役なのです。

ドリアといえば、ホワイトソースを使うのが定番。でも「ドリア屋 松栄」では、ホワイトソースにたまねぎを加えた「ソース・スービーズ(sauce soubise)」を使っています。今回、その「ソース・スービーズ」作りの工程を見せていただきました。
まずはホワイトソース。ドリアが重くならないよう、小麦粉とバターを一般的な量の半分にして、軽く仕げているのだそう。たしかに「ホワイトソース」と聞いてイメージするものよりも、かなり「シャバシャバ」とした見た目です。
たまねぎは水を少量ずつ足しながら、コクが強いニュージーランド産のグラスフェッドバターで炒めるのがポイントなのだとか。
焦げないよう、1時間つきっきりで丁寧につくり上げたホワイトソースとたまねぎを合わせたら、こだわりのソース・スービーズの完成です。

すべてのドリアのご飯に雑穀米を使い、ヘルシーに仕上げているのも大きな特徴です。

ソース・スービーズと雑穀米を混ぜながら、リゾット風にしていただくのが「ドリア屋 松栄」風。
雑穀米にゆるやかなソースがよく絡み、たしかにリゾットのような口当たりです。コクはあるのにしつこさはなく、とてもやさしい味わい。雑穀のプチプチとした食感も相まって、重さは一切ありません。
ぷりぷり&ジューシーな海老とトマトの酸味のバランスも絶妙。大葉ソースを少しずつ混ぜながら、味の変化も楽しんでくださいね。

シェフの気分によって変わる、付け合わせのサラダと小鉢も楽しみのひとつ。 この日の小鉢はかぶのトマト煮。サラダには手作りのトマトドレッシングがかかっていました。どちらも、ドリアの箸休めにぴったりなフレッシュさが印象的!
ちなみに2品とも、再び登場するかはシェフの気分次第だそう。食べることができたらラッキーかも!?

季節限定のドリアも見逃せない! 冬は牡蠣がイチオシ

「牡蠣のドリア」1000円

メニューの多くは季節によって変わりますが、冬にぜひ試してほしいのは「牡蠣のドリア」。
牡蠣に合うよう、ホワイトソースにだしを加えて和風に。柚子を使ったラヴィゴットソースがアクセントになっていて、爽やかな味わいに仕上がっています。冬の食材同士のマリアージュを、和風のドリアで楽しんでください。
フレンチ出身のシェフならではの繊細なこだわりが光るドリアは、どれも絶品。実は日本発祥という意外な歴史を持つドリアを、この機会にじっくり味わってみませんか? 「ドリアだけで営業中」の看板を目印に、ぜひ新橋の松栄へ足を運んでみてくださいね。
■ドリア屋 松栄(どりあや まつえい)
住所:東京都港区新橋3-19-2 西口加藤ビル2階
TEL:070-8547-9680
営業時間: 11時〜14時30分(14時LO)
定休日:土・日曜
Text・Photo:新井美由紀(vivace)

▶▶「新橋 ランチ」の記事をもっとみる!

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。