サバファンが集う「全日本さば連合会」広報担当サバジェンヌこと池田陽子さんによるとっておきのサバグルメをお届け。実はサバ県の長崎県を訪問。長崎市がご当地グルメとして打ち出している「サバサンド」巡りをしました!

サバ漁獲量全国2位を誇る「長サバ県」のご当地グルメ

長崎市といえば、ちゃんぽん、皿うどん、カステラ……だけじゃない! サバファンならマストなのが「サバサンド」!

そもそも長崎のサバの漁獲量は全国2位。はい。そうです。長崎県は「長サバ県」! そんな長崎が誇るサバを使ったサバグルメとして、「長サバ市」こと(!?)長崎市では「サバサンド」を「ご当地グルメ」として絶賛盛り上げ中なのだ。

そもそも長崎の漁獲量は、北海道、茨城についで全国3位。水揚げされる魚の種類は250種類以上で全国1位といわれるほど、日本有数の「お魚王国」。そんな「長崎の魚の魅力をより多くの方に楽しんでいただきたいです」と力を込めて語るのは、長崎市役所 水産農林部水産農林政策課 食の推進係の郄岩琢磨さん。

「長崎のおいしい魚を手軽に食べられるグルメとして『サバサンド』をご当地グルメにするべく、2017年から提供店を呼びかけました」。

サバサンドの定義としては、具は長崎県のサバを使うこと。あとは、そのお店のアレンジ! でさまざまなテイストのサバサンドを提供している。

長サバ県長サバ市の長サバサンド! サバらしい! そりゃあ食べまくるしかないでしょう!! というわけで、いざ、長サバサンド散歩へ!

「サバサラダ」なサンドイッチと本格コーヒーでサバブレックファスト!

最初に向かったのは『HAYAMA COFFEE 長崎オランダ通り店』。

長崎市の観光を代表するスポット「グラバー園」や「オランダ坂」にもほど近い場所に位置する。

『HAYAMA COFFEE長崎オランダ通り店』は、長崎電気軌道・大浦海岸通駅からすぐ

全国展開する葉山珈琲で、唯一こちらで提供されているメニューが「サバサンド」。

お店は、木材の販売、建築設計を行う「イワモク」がプロデュース。木材を多用したスタイリッシュな空間

毎日完売、朝から「サバサンド」という人も多いという大人気のサバサンドは、「サバを爽やかに食べられて、彩り豊か、をコンセプトに開発しました」。そう語るのはスタッフの内川さん。

スタッフのみなさん

それでは早速作っていただきましょう! 使用するのは食感を重視したという、バゲット。表面を香ばしく焼き上げる。

カリッとしつつも、中はほどよく柔らかいバゲットをチョイス

長崎産のサバは、カラリと仕上がるタイプの片栗粉をつけて、竜田揚げに。

サバは、オリーブオイルで表面をカリッと焼き揚げにする

バゲットに、まずベースとなるマヨネーズを塗る。

バゲットにマヨネーズを塗って具と馴染みをよくする

続いてグリーンリーフ、千切りキャベツをサンド。ちゃんと挟まるのかと思うくらいたっぷりと!

このとおり、バゲットにぎゅうぎゅう詰めに!

そしてここから味の決め手が登場! オリジナルの「レモンマヨネーズ」をかける。「さっぱりといただけるように、試行錯誤を重ねて作り上げました」と内川さん。

マヨネーズにレモン汁、黒こしょうなどをブレンドしたレモンマヨネーズを具の上に

続いてサバの竜田揚げ、トマト、レモンを挟んで完成!

では、いただきます! かなりのボリュームに見えるが、全然そんなことはない。軽い、軽い! 噛みしめがいがありつつも、ふわっとしたバゲット、香ばしくシュッとした旨みのある長崎のサバ、シャキシャキ野菜、そして爽やかなレモンマヨが完全なる一体化! たっぷりすぎる野菜の効果で、もたもたせず軽快に食べ進められる。

「サバサンド」(642円)。映えてます! おいしいです! 「長崎ブレンド」(600円)とともに

まさに、栄養満点な「食べるサバサラダサンド」は、コーヒーにもぴったり。そして朝食にもぴったり! サバサンドブレックファスト、長崎市観光前に必須!

一夜干し専門店渾身のみりん干しを使った「さばサンド」

続いて向かったのはJR長崎駅前『海産工房 梅のや アミュプラザ長崎店』。梅のやは1985年、茂木町で創業。化学調味料・保存料・着色料を一切使用せずに、手作業で仕上げた「一夜干し」が好評を博している。

『海産工房 梅のやアミュプラザ長崎店』。JR長崎駅から直結という便利なロケーション

「わたしたちが手掛けるのは『干物』ではなく一夜干しだけです」と語るのは、広報の田平千晴さん。

「魚に日光を当てて乾燥させるのではなく、冷風で乾燥させています。完全に乾かさずに水分を多く残すことで、魚本来の旨みを閉じ込めて、柔らかく仕上げられるのです」

長崎市内初の出店となるアミュプラザ長崎店には、そんなこだわりの一夜干しはじめ、鯖寿司、そして「さばサンド」が販売されている。

「さば塩一夜干し」、「さばみりん一夜干し」など、こだわりの商品がズラリ
スッキリした脂を楽しめる長崎産のサバを使ったさば寿司も人気

「さばサンド」に使われているのはもちろん自社の「さばのみりん干し」。

厳選した素材を手作業でさばき、丁寧に下処理。数種をブレンドした自然岩塩、長崎の老舗・チョーコー醤油の国産丸大豆本醸造醤油、信州産のモチ米とアルプスの清らかな伏流水で仕込んだ養命酒の「家醸本みりん」を合わせた調味液に漬け込む。魚に合わせて職人が仕上がり時間を調整して、作っている。

「一夜干しは、洋風にアレンジしてもおいしくいただけます。弊社の『さばのみりん干し』のおいしさをパンで味わっていただくために、試行錯誤を重ねました」と田平さん。

一夜干し専門店による渾身の「さばサンド」。素材も作り方も一夜干しどおり、こだわりぶりハンパなし! みりん干しは、粗目のパン粉につけて油で揚げる。

みりん干しはフライに。衣はカリカリ、ザクザク感のある仕上がりに

パンは、フライの衣感を楽しむために柔らかめ、味わいも「うちの『さばのみりん干し』のよさを消さない」(田平さん)ような風味のものを選んだそう。

さらに特製のタルタルソース。卵、玉ねぎ、マヨネーズ、隠し味にケチャップ、塩・こしょうを加えて「みりん干しに最高に合う」タルタルを作り上げた。

特製のタルタルソース。さっぱりとした味わい

バンズにサバのフライ、レタス、タルタルソースを挟んで“みりん干しファースト”な「さばサンド」が完成! いざ、サバサンドにかぶりついてみよう。

「さばサンド」(550円)。県内のイベントでも大人気

わっ。わわわ。ザクザクした衣の中から、みりん干しの旨みが炸裂! 熟成したコクのある旨みに、タルタルソースがまろやかな援護射撃。そこにふわっとした甘みのバンズ。またまたこちらも軽快。「旨み軽快」。揚がっていてタルタル入りなのに、心地よく一気食い。のちに、口の中に旨みが、じわーっと残ってまたまた心地よし。

一夜干しのよさが閉じ込められた「さばサンド」に感動!

それにしても、長サバ市のサバサンドは「サバやか」(⇒さわやか、です)だ。ぜんっせん、まだまだイケますよ。

前代未聞! 老舗カフェの「ポテチ入りサバサンド」

ということで3軒目。長崎くんちで有名な「諏訪神社」にほど近い、新大工町の『マーチン・カフェ』へ。オープンして24年、オーナーの小池清暁さんと奥様の美保子さんが営むアットホームなカフェだ。

どこか懐かしくホッとする雰囲気の『マーチン・カフェ』。店内から路面電車をのぞむこともできる

昼は定食、夜はおつまみとお酒が楽しめる地元民に愛されてやまないお店では、3種類のサバサンドが楽しめる。

長崎市がサバサンドの提供店をよびかけたときに、真っ先に手を挙げた小池さん。しかし、ことは簡単ではなかった。小池さんはサバサンドを食べたことがなかったのである。しかも、そもそも「サバメニュー」も提供していなかった。

オーナーの小池清暁さんと奥様の美保子さん。「入る前よりもプラスになる気持ちのお店」がコンセプト。ユーモアあふれる小池さんとのトークも楽しい

「サバは大好きですが、はて、どうしたものかと……」と、サバサンドの方向性を思案した小池さん。サバ好きだからこそ「カレー風味でごまかす、より強いものをかぶせるといった感じにしたくなかったんですよね。サバを主張させるかぶつけるか、そのあたりを悩みました」。

その結果、小池さんは決意した。「サバに逃げずに、まっこうからぶつかろう!」。カッコいいぞ、小池さん(涙)!

ガチンコでサバにぶつかって完成したのが「サバサンドチリトマトソース」。バゲットは地元のベーカリー、フランソアのバゲット。焼いた長崎産の塩サバにぶつけるのは、タバスコを利かせた「特製サルサソース」。スライスしたピーマン、玉ねぎとともに挟み込む。

そして「極めつけのぶつけ技」として登場したのが、「ポテトチップ」!

添えるのではない。サバサンドに「挟む」のである。しかもたっぷりと。小池さんいわく、ポテトチップを口直しではなく「一緒に食べてパリッとした感じ」がベストらしい。

じゃーん このとおり!

「サバサンドチリトマトソース」(ドリンクセット680円)。ポテチでサバがあまり見えない……サバは心の目で見てください……

おそらく日本唯一の「ポテチ入りサバサンド」、いただきます!

かぶりつくと、程よく柔らかいバゲットの甘み、パリッとしたポテトチップ、爽快な辛みのサルサソース、そしてしっとりしたサバの旨み、ピーマンのほろ苦さ……。

ひえー! 口の中で見事なアンサンブルの演奏会状態! ポテトチップの「パリッ」があってこそ引き立つサバーモニー! あ、ハーモニー! 確かに挟んで「サバとともに食べる」べき。飽きることなく食べ進められる。そして、こちらも食べ終わりが「爽快」!

サバとの向き合い感ハンパないサバサンドは、ビールくれー、ハイボールくれー現象も引き起こす!

サバに向き合い続ける小池さんのサバサンド。続いては、まさかの「ダブル魚」状態という「サバサンドマイルドツナマヨ」……まさかの「肉」とのガチンコ「サバとベーコンのホットサンド」という個性派サバサンドも提供。こちらもぜひお試しを。

それにしても、どちらのサバサンドもおいしくて「さわやか」系。これはきっと脂のりがよいけれど、スッキリした味わいの「長崎のサバ」効果かも。3軒はしごしても余裕である。「長さば市」で、「サバやか」なサバサンド散歩、超おすすめですよー!

■HAYAMACOFFEE 長崎オランダ通り店
[住所]長崎県長崎市大浦町5-42
[電話番号]095-895-5338
[営業時間]8時〜19時
[休日]無休(元日のみ)
[交通]長崎電気軌道大浦海岸通駅から徒歩2分
https://hayamacoffee-nagasaki.com/

■海産工房梅のや アミュプラザ長崎店
[住所]長崎県長崎市尾上町1-1
[電話番号]095-827-3212
[営業時間]10時〜20時
[休日]無休(元日は施設が休館)
[交通]JR長崎駅から直結
https://umenoya-mogi.co.jp/

■マーチンカフェ
[住所]長崎県長崎市新大工町3-18 コンチェルティーノモリタ2階
[電話番号]095-824-2428
[営業時間]11時〜21時
[休日]日
[交通]長崎電気軌道諏訪神社駅から徒歩2分

※長崎市のサバサンドについての情報はこちらでもチェック!
ながさきイズさしみシティ
https://ngs343.com/saba_food/

取材・撮影/池田陽子