トヨタが新型「5代目プリウス」を進化させる!? 購入後もアップグレード可能な「KINTO Unlimited」を提案! クルマとの「関わりが変わる」取り組みとは
納車後もクルマの安全性などが「進化」するサブスクとは
トヨタは2022年12月7日、今冬に発売予定の新型「プリウス」について、同社のサブスクサービス「KINTO(キント)」を進化させた新たな仕組み「KINTO Unlimited(アンリミテッド)」を導入すると発表しました。
安全や機能面において、ソフト、ハードの両面で購入後の「進化」を可能とするほか、コネクティッドも活用した「見守り」も実現するといいます。
近年多くの業種で聞かれるサブスクとは、「サブスクリプション(subscription)サービス」の略です。
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商品やサービスを現金やローンで購入・所有するのではなく、一定の額を定期的に支払うことで一定期間、手軽に利用できる新しい所有のスタイルを指し、現在さまざまなビジネスモデルで普及が進んでいます。
トヨタでも2019年から、サブスクサービスのKINTOを新車や中古車で展開しています。
KINTOの月額定額サービスの利用料には、車両本体に加え、任意保険の支払いや自動車税、登録諸費用、車両の定期メンテナンスといったクルマにかかる費用が含まれていて、申し込みもWeb上で手軽にできる仕組みが特徴です。
ユーザーの利用数も伸びており、2022年11月末時点でのKINTO累計申込数は5万2000件に達し、前年からの伸びは+2万2000件に及ぶといいます。
一方でユーザーのニーズがさらに複雑化、多様化しているとトヨタでは分析しています。
例えば「クルマに安心して乗り続けたい」とするニーズに対し、日々進化を続ける最新技術の恩恵をユーザーがタイムリーに受けるためには乗り換えが必要となり、現実的ではありません。
しかしユーザーでは「カーライフにかかる出費は極力抑えたい」との意向も強くなっているといいます。
こうした時代の潮流に対しトヨタとKINTOでは、従来のクルマでは難しかった「クルマの納車後も絶えず付加価値を提供する」新たなサービスを生み出すべく、クルマづくりから変革を実施。新たなサービスのKINTO Unlimitedを立ち上げました。
具体的には、進化=アップデートと、見守り=コネクティッドの2つの付加価値をプラスし新たなニーズに応えるとともに、通常は契約から返却の間に経年で下がっていくクルマの価値を維持させる仕組みを構築。
価値が維持する分を、サブスクの月額利用料の引き下げにあらかじめ充当することで、ユーザーはよりリーズナブルに利用できるとしています。
新たな付加価値を4つのサービスで提供
新サービスのKINTO Unlimitedが掲げる付加価値について、4つにわけて詳しく解説します。
ひとつめは「ソフトウェアアップデート」です。
トヨタ車ではじめて「OTA(Over The Air)」の概念を取り入れ、パソコンやスマートフォンのように車両のソフトウェアを最新バージョンに更新し、機能進化を可能としました。
この費用は月額費用料に含まれるため、ユーザーの追加負担はないとしています。
ふたつめはハードウェアのアップグレードです。
将来のアップグレードを想定し、後付けに必要なハーネスなどの追加を新車製造時から盛り込んだトヨタ初の「アップグレードレディ設計」仕様としました。
快適装備の追加に加え、性能向上が著しい先進運転支援機能などの進化に備えます。
まずは、ブラインドスポットモニターやパノラミックビューモニター、ステアリングヒーターなどがラインナップされ、今後追加していくとしています。
アイテムごとに一括もしくはサブスクの月額利用料への加算のふたつから選択できる予定です。
3つめは「コネクティッドドライバートレーナー」。
走行データをもとにドライバーの運転傾向を分析・診断し、専用アプリを通じて安全運転のアドバイスを行います。
4つめは「コネクティッドカーケア」。
これまで6か月ごとなど一定の期間でおこなわれていた定期点検について、個々の車両のデータにもとづき判別する機能を追加し、オイル交換などをより最適なタイミングで実施できるよう案内します。
なお12月7日現在、新型プリウスはまだ正式発売前のため、KINTO Unlimitedの価格やグレードの設定などの詳細は明らかにされていません。
トヨタでは新型プリウスの一部グレードからサービスを開始し、反響を踏まえほかの車種にも展開する予定としています。