アメリカ心理学会が発表した研究により、想像力が必要とされるタスクをこなすときは、座っているよりも散歩をする方が効果的であることが分かりました。

Give Your Ideas Some Legs: The Positive Effect of Walking on Creative Thinking - xlm-a0036577.pdf

(PDFファイル)https://www.apa.org/pubs/journals/releases/xlm-a0036577.pdf

Taking a walk may lead to more creativity than sitting, study finds

https://www.apa.org/news/press/releases/2014/04/creativity-walk

Walking May Boost Your Creativity

https://www.healthline.com/health-news/walking-indoors-outdoors-increases-creativity-042814

サンタクララ大学のマリリー・オペッゾ氏らは、176人の大学生を対象に「想像力」を発揮するような問題を与えて考えさせました。問題例は「タイヤの使い道は車以外にどんなものがありますか?」というもので、これにより導き出された答えのうち、現実的かつ独創性の高い発想に高得点が付けられました。

考える時の場所や状況もそれぞれ異なり、ある人は室内に座り、ある人は屋外で歩き、ある人は車いすに乗って屋外に出るなど、「座位」と「歩行」が明確に区別されて調査が行われました。

その結果、歩いている人は座っている人に比べて2倍もの創造性を発揮することが分かったとのこと。このうち「座った後に歩く」という手順を踏んだ人々は、歩くことで創造性が平均60%以上増加していました。



今回の研究でウォーキングが創造性を高めるということが確かめられましたが、一方で集中力が必要なタスクの場合、ウォーキングはやや悪い影響を与えることが分かっています。

提示された3つの単語と複合語を作る単語を当てるという問題では、歩いた人は座った人よりやや成績が悪いという結果が出たとのこと。問題として出された単語の一例は「cottage」「Swiss」「cake」で、正解は「cheese(cottage cheese、Swiss cheese、cheese cake)」です。このような「1つの答えを導き出す」という問題においては、ウォーキングの効果が発揮されないということが分かりました。

オペッゾ氏らは「ウォーキングが創造性を向上させる仕組みを理解するには、さらなる研究が必要です。今後の研究では、歩くという行為から、生理的変化や想像力、認知に至る複雑な経路が明らかにされる可能性が高いと推測しています。生活の中に身体活動を取り入れることは、心臓だけでなく、脳にも良い影響を与えます」と述べました。