Amazonの創業者であり世界有数の大富豪として知られるジェフ・ベゾス氏が、ニュースチャンネルのCNNの記者を自宅に招いて行ったインタビューで、保有する1240億ドル(約17兆4000億円)もの資産の大半を慈善活動に寄付すると表明しました。ベゾス氏の発表に注目が集まる一方で、一部の人々は宣言の内容が曖昧であると指摘しているほか、Amazonへの批判をそらす意図があるのではないかという声も上がっています。

Jeff Bezos for the first time says he will give most of his money to charity | CNN Business

https://edition.cnn.com/2022/11/14/business/jeff-bezos-charity/

Jeff Bezos says he’ll give away the majority of his wealth in his lifetime - The Verge

https://www.theverge.com/2022/11/14/23457690/jeff-bezos-give-away-money-charity-philanthropy-pledge-interview

Jeff Bezos vows to give away most of fortune - and hands Dolly Parton $100m | Jeff Bezos | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/2022/nov/14/jeff-bezos-fortune-dolly-parton-amazon-climate-crisis

Amazon創業者として世界有数の大富豪に上り詰めたベゾス氏は、1兆円超をポケットマネーから拠出して地球温暖化対策基金を設立するなどの慈善活動を行ってきましたが、「他の大富豪と比較して慈善活動に投じた資産の割合が少ない」という批判も受けてきました。

批判される理由の1つとなっているのが、Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏や投資家のウォーレン・バフェット氏らが立ち上げた寄付誓約宣言「ギビング・プレッジ」の署名リストにベゾス氏の名前がないという点です。署名リストにはベゾス氏の元妻であるマッケンジー・スコット氏や、テスラやSpaceXの創業者でありTwitterのCEOにも就任したイーロン・マスク氏、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOなど、アメリカの大富豪が数多く名を連ねています。

そんな中、2022年11月12日にベゾス氏の自宅で行われたCNNのインタビューで、ベゾス氏は資産の大半を寄付することを表明しました。インタビューの様子は以下の動画で確認できます。

Amazon founder Jeff Bezos says he'll give away his wealth - YouTube

インタビュアーのクロエ・メラス氏が、「生涯のうちに資産の大半を寄付することを考えていますか?」と尋ねます。

ベゾス氏は「ええ、そのつもりです」と回答し、資産の大半を寄付するという意向を明らかにしました。

続けてベゾス氏は、困難なのは寄付をどのように行うかだと主張。ベゾス氏は寄付活動をAmazonの構築にたとえ、「Amazonの構築は簡単ではありませんでした。多くのハードワークと非常に賢いたくさんのチームメイトが必要でした」「慈善活動はこれと非常によく似ています。慈善活動は簡単ではなく、本当に難しいことです」と語り、効果的な寄付の方法を模索していると説明しました。

ベゾス氏はCNNのインタビューと同じ日に、2020年から行っているチャリティーアワード・Courage and Civility Awardの受賞者に、シンガーソングライターであり慈善活動家としても知られるドリー・パートン氏を選んだことを発表しました。パートン氏には1億ドル(約140億円)の助成金が与えられ、任意の慈善活動に使用することが可能とのことです。

ベゾス氏による資産の大半を寄付するという表明には注目が集まる一方で、寄付の方針についての詳細が明かされていないことや、ベゾス氏の思惑についてさまざまな批判も寄せられています。ライターのCharlotte Clymer氏は、ベゾス氏が言っている「資産の大部分」がどの程度なのか不明であり、なぜ今すぐ寄付しないのかと痛烈に批判しています。

また、金融ライターのOliver Sachgau氏は、「大富豪による慈善団体への寄付」とは「自身やその家族が管理する慈善団体に資産を預ける」ことであり、相続税を回避する効果的な方法だと指摘しています。

ライターのアダム・ジョンソン氏はベゾス氏の寄付表明について、ベゾス氏の家政婦による人種差別および過酷な労働環境の告発、Amazonの株価低迷、Amazon従業員の大量解雇といった悪いニュースから目をそらす意味合いがあるのではないかと主張しました。

Amazonは景気後退の波を受け、デバイス事業・人事部門・小売部門を中心に1万人もの従業員を解雇する計画だと報じられています。

Amazonが1万人もの従業員を解雇すると報じられる、実現すればAmazonの歴史上最大の人員整理に - GIGAZINE