青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。10月30日(日)の放送では、警察庁サイバー警察局 サイバー企画課長の大橋一夫(おおはし・かずお)さんに、「安心スマホ・ライフ! サイバー犯罪からお金や個人情報を守る方法」をテーマに話を伺いました。


(左から)青木源太、大橋一夫さん、足立梨花



◆被害金額が年々高額化している“サポート詐欺”

多くの人たちにとって、スマートフォン(以下、スマホ)は日常生活に欠かせない物となりました。しかし、便利だからこそインターネットを悪用した犯罪に巻き込まれてしまう危険性も。特にこれからの数年間で、高齢者の詐欺被害が増加する可能性が懸念されています。

その理由は、携帯電話向けの3Gサービスが終了するから。すでにKDDIは今年の3月末に終了しており、SoftBankも2024年1月下旬、NTTドコモは2026年3月末に終了します。

そのため、3Gを使う従来型携帯電話、いわゆるガラケーを利用している多くの方がスマホに持ち替えることが予想され、それを機にスマホの操作に不慣れな高齢の方がインターネットを介した犯罪、いわゆる“サイバー犯罪”に巻き込まれるのではないかと心配されています。

パソコンやスマホでインターネットを使用中に突然、「ウイルスに感染している」などの音声が流れてきたり、警告する文章が記載されたポップアップ画面が現れ、どこかに連絡するように促されたりするのは、“サポート詐欺”と言われる詐欺の可能性があります。

サポート詐欺は、不安をあおって電話をかけさせ、遠隔操作や有償サポート、セキュリティソフトなどの契約を結ばせたり、ウイルスを削除するための費用として、金銭を騙し取ったりする手口です。

近年、こうした詐欺に関する相談が警察や消費生活センターなどに多く寄せられており、大橋さんは「“ウイルスに感染している”というのはウソなので、お金を支払わないようにしてください」と注意喚起します。

独立行政法人国民生活センターによると、2019年、2020年のサポート詐欺に関する相談件数は共に年間5,500件ほど。ところが、支払ってしまった金額の総額は、2019年が約7,000万円だったのに対して、2020年は約2億円と大幅に増加しているうえに、1件当たりの金額も年々高額化しています。

また、サポート詐欺の被害相談件数はパソコン利用中のケースが多いものの、最近はスマホでも同様の被害が発生しています。私たちが被害に遭わないために「警告音や警告画面が出たら、偽物ではないかを疑ってください」と大橋さん。

慌てずに自分でパソコンやスマホの状態を確認して、「自分で判断できない場合は、周りの人や警察に相談するか、契約している携帯電話会社の相談窓口に問い合わせてください。警告画面に記載されている連絡先には絶対に電話をしないように」と強調。アプリをインストールするように促されたときも「絶対にインストールしないように」と声を大にします。

なお、警告画面や警告音が出ても、ブラウザを消したり、電源を切って再起動してみて、それでも消えない場合は、インターネットの履歴データを削除すると、消える場合がほとんどだそうです。

◆フィッシング詐欺、偽ショッピングサイト詐欺の手口とは?

サイバー犯罪の手口は、サポート詐欺だけでなく、“フィッシング詐欺”や“偽ショッピングサイト詐欺”などの被害も多発しています。

フィッシング詐欺とは、実際に存在する企業を装って、不安をあおるメールを送りつけて偽のサイトにアクセスするように誘導し、ID・パスワードやクレジットカード番号などを入力させて、これらの情報を不正に入手する手口です。フィッシング対策協議会によると、2021年は約53万件が報告されています。

不安をあおるメールの内容は、例えば「不審なお支払いが検出されました」「お荷物の宛先が不明です」「会員情報が失われる可能性があります」などで、こうした文言の後に「確認が必要です。こちらのURLからログインしてください」などの記載があり、URLやバナーをクリックするよう指示されます。

そのほか、銀行などを語るメールの被害相談も後を絶ちません。「フィッシング詐欺は“インターネットバンキングの不正送金”の手口として悪用されており、特に注意が必要。しかも、本物に似せた偽のサイトなども巧妙に作られているため、見抜くことは難しい」と大橋さん。

そのため、不審なメールが届いた場合は、「URLを絶対にクリックしないようにして、メールを削除してください。それでもメールの内容が心配な方は、改めて、その企業の公式サイトや公式アプリからアクセスしてください」と注意を促します。

また、複数のWebサイトで同じIDやパスワードを利用していると、情報を盗まれた場合、いくつものサイトにアクセスされてしまい不正利用の被害に遭うリスクが高くなるそうです。そのため、被害を抑えるためにもIDやパスワードを使い回さずに、自分がどのサイトに登録したのかをしっかり把握しておく必要があります。

また、設定するパスワードについても、大橋さんは「イニシャルや生年月日のような他人に推測されやすいものは避けてください。また、指紋認証や顔認証など、生体認証の利用も有効な対策」と言います。

スマホ利用者は、偽ショッピングサイト詐欺にも注意が必要です。偽ショッピングサイト詐欺とは、偽物のショッピングサイトを作成して消費者に購入手続きをさせておきながら、粗悪品を送りつけたり、商品を送らないなどで金銭やクレジットカード番号などを騙し取る手口です。

偽のショッピングサイトは、正規のショッピングサイトの外観を真似して商品画像を無断転用しているケースもあり、見分けるのがとても困難です。そのため、「初めて利用するショッピングサイトの場合は十分に注意してほしい」と大橋さん。

注意するポイントとしては、「商品の価格が大幅に安い」「不自然な日本語が使われている」「住所がカタカナ表記や存在しない住所が記載されている」「支払い方法が銀行振込のみ」など。クレジットカードの利用可能と表示されていても、最終的に銀行振込を選ぶように誘導されるサイトもあるので注意が必要です。

これらの詐欺被害に遭わないためにも、事前の対策として「IDやパスワードの管理のほか、パソコン、スマホのソフトやアプリは常に最新の状態に更新しましょう。セキュリティソフトをインストールしておくことも重要」と大橋さん。

最後に、「分からないことがあれば、家族や周りの方、携帯電話会社などの正規の窓口に相談してください。もし、不安な場合や被害に遭ってしまったときは、警察、消費生活センターなどに相談してください」と呼びかけました。

今回の話を聞いて、足立は「(手口が)分かっていても、突然だと焦ることがある。(ECサイトで)買い物をするときもそうですけど、何か気になることがあった場合、公式サイト、公式アプリからアクセスするようにしなきゃと改めて感じました」とコメント。

一方、青木はフィッシング詐欺の被害に遭わないためにも、「不審なメールが届いたら“URLを絶対にクリックしない”“メールは削除する”。これらを徹底していきたい」と話しました。


(左から)青木源太、足立梨花



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聴取期限 2022年11月7日(月) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/