コーケンが入居していたビル

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 (株)コーケン(TDB企業コード:982150913、資本金1000 万円、東京都港区芝公園2-9-5、代表山本浩彦氏ほか1名)は、10月28日に東京地裁へ自己破産を申請した。
 
 申請代理人は森田岳人弁護士(東京都千代田区大手町2-1-1、松田綜合法律事務所、電話03-3272-0101)ほか4名。

 当社は、1970年(昭和45年)4月に、全国厚生農業協同組合連合会(JA全厚連)が農民保健予防活動及び日本農村医学会関係で使用する医薬品や医療用資材の廉価供給を図る目的で設立。主に各県の厚生農業協同組合連合会経由で、傘下の各病院や診療所に対し医薬品、医療機器の卸売りを手がけていた。各都道府県の厚生連の会長が役員を兼務することが多く、人脈を生かした営業展開が可能で、小規模体制でありながら安定的な受注を獲得、2021年3月期には年売上高約246億8100万円を計上していた。

 しかし、政府主導の薬価改定が続き単価の引き下げは避けられない業界環境に加え、新型コロナウイルス感染拡大による高齢者の通院機会の減少の影響を受け、医薬品卸部門では減収となっていた。こうしたなか、10月17日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請したアイテック(株)(TDB企業コード:982967861、負債約132億円)に対し、多額の焦げ付きが発生。急速に資金繰りが悪化し、今回の措置となった。
 
 負債は2021年3月期末時点で約52億5600万円。