この記事をまとめると

■全日本ダートトライアル選手権の第7戦が開催

■元SKE48の梅本まどか選手がドライバーとして全日本選手権にデビュー

■参戦の理由や走りきった感想を聞いた

コ・ドラ経験豊富な梅本選手がダートトライアル選手権に挑戦!

 ダートトライアルの最高峰シリーズ、全日本ダートトライアル選手権の第7戦が10月1日〜2日、広島県のテクニックステージタカタを舞台に開催。このシーズンを締めくくる1戦に、元アイドルの梅本まどか選手がドライバーとして全日本選手権にデビューを果たした。

 梅本選手はSKE48のメンバーとして活躍し、卒業後はモータースポーツシーンで活躍。2018年にコ・ドライバーとしてラリー競技への参戦を開始し、2019年には全日本ラリー選手権にもデビューを果たすなど主にラリー競技で積極的な活動を展開してきた。

 2022年も全日本ラリー選手権のツール・ド・九州やモントレーに参戦するほか、11月に愛知県および岐阜県で開催されるラリー・ジャパンにも参戦を予定するなど、まさにコ・ドライバーとして豊富な経験を持っているが、そんな梅本選手がドライバーとして初めて全日本ダートトライアル選手権にチャレンジしていた。

「ラリー・ジャパンに出場するためには国際Rライセンスが必要なので、実績を稼ぐために丸和オートランド那須で1戦だけダートトライアルに参戦しましたが、全日本選手権は初めてです。BRZのATモデルでJD7クラスに参戦する小関(高幸)選手に“ダートラやってみない?”と誘われたこともあったし、TGRラリーチャレンジでグラベルラリーに出た時に楽しかったので、グラベルのことを学びたいという気持ちもあって参戦しました」

 梅本選手のマシンはスバルBRZのAT仕様車で、小関選手と1台のマシンをシェアする“ダブルエントリー”でチャレンジ。2022年に全日本ダートトライアル選手権にデビューしただけあって、同マシンはセッティングが煮詰まりつつあるが、梅本選手は丸和でダートトライアルにデビューした後は、2021年にモーターランド野沢、2022年はオートパーク今庄で練習した程度で、「本当はもっと練習したかったんですけど、まったく時間がなくて。しかも、タカタは初めてですし、これまで走ったコースともまったく違うので難しい」と語るように梅本選手は1日の公開練習から苦戦を強いられていた。

無事にデビュー戦を走り切った

「普段はマニュアルのトヨタ86に乗っているんですけど、ダートは走らないので反応が遅いし、BRZのATも難しいので、まずはクルマに慣れるところから始めたいと思います」と語っていたが、梅本選手は2日の競技本番でも苦戦の展開。「前日の公開練習のインカーを見過ぎたのか、その感覚で走ったらミスコースしていましました」と語るように第1ヒートは痛恨のミスコースを演じた。

 しかし、第2ヒートではJD7クラスの最下位ながらも16位で無事に完走。「ラリーのコ・ドライバーはドライバーの気持ちを汲み取らないといけないので、自分でダートトライアルに参戦すればドライバーの気持ちがわかるかも……と思ってチャレンジしたんですけどね。いきなりすぎてわからないことだらけでしたが、2本目はちゃんとアクセルとブレーキを踏めたし、クルマをぶつけずに完走できたので良かったです」と語るように、梅本選手は無事に全日本ダートトライアル選手権のデビュー戦をフィニッシュした。

 この梅本選手の参戦について、参戦をサポートした小関選手は「知名度が高い方なので、多くの方にダートトライアルを知ってもらえるきっかけになると思って梅本選手を誘いました。今庄の練習走行ではしっかり踏めていました。タカタは速いコースなので大変だったと思いますが、ダートトライアルは女性ドライバーもATマシンで楽しめる競技ということを多くの方に知ってもらいたいですね」と小関選手。さらにラリー・ジャパンで梅本選手とコンビを組むドライバーの村田康介選手も三菱ランサーでJD4クラスに参戦していたが、「丁寧に走っていたので、見ていて安心しました。フィッシュした時は思わず拍手しましたね」と笑顔で語る。

 梅本選手の2022年の残りのモータースポーツ活動としては前述のとおり、WRC第13戦のラリー・ジャパンにコ・ドライバーとして参戦する予定で、村田選手とともにプジョー208R3を武器に世界最高峰のラリー競技にデビュー。「ラリー・ジャパンは地元なので楽しみです。2019年のセントラルラリーより、2021年のセントラルラリーで成長しているので、自信を持って挑みたいと思います」と語っているだけにラリー・ジャパンでは各ワークスチームとともに、梅本選手の動向に注目したい。