「クレカでお財布がパンパン……」本当に持つべきクレジットカードの枚数とは?
クレジットカードの所持枚数がゼロでも、逆に多くてもそれぞれにデメリットがあります。一般日本クレジット協会のクレジットカード発行枚数調査(※)によると、2021年3月末時点で1人あたり2.8枚保有しているという結果になりました。
新型コロナ禍で、キャッシュレス決済が伸びてはいますが、1人あたりのクレジットカードの所持枚数はここ数年間では大きな変化はありません。この数字から見ても、適当な所持枚数は2〜3枚程度と考えることができるでしょう。
■クレジットカード1枚のデメリットとは
なぜクレジットカードの適当な所持枚数が1枚ではなく、2〜3枚程度なのかというと、1枚の場合紛失した際の替わりが無いというデメリットがあるからです。
例えば、クレジットカードを紛失した際、クレジットカード会社と警察に紛失届を出します。警察に紛失届を出しておくことで、万が一不正利用された場合でも一部の場合を除いて、クレジットカード会社から補償を受けることができます。
クレジットカード会社へ紛失の連絡をすると、そのクレジットカードは使えなくなり、新しいクレジットカードが発行されます。新しいクレジットカードはカード番号が異なるため、紛失したクレジットカードで支払いをしている場合は、切り替えが必要です。
1枚しかカードを持っていない場合は、新しいカードが到着するまでの間、キャッシュレス決済や支払い方法等の変更ができなくなりますが、予備のカードがあれば支払いや切り替え手続きがスムーズです。
■5枚以上持っていたら見直しの検討を
しかし、クレジットカードを5枚以上持っている場合は持ちすぎといえるでしょう。そのデメリットを箇条書きにすると以下のようになります。
・管理が難しくなる
・年会費がかさむ
・ポイントが分散する
・審査に通りにくくなる
クレジットカードを持てば持つほど、お金の管理が難しくなり、思いの他、使い過ぎてしまったり、引き落とし口座がバラバラで、残高管理ができていなかったなどで引き落としができなかった場合は、延滞金などが発生したりすることもあります。また、使っていないカードの管理がおろそかになり、不正利用をされても気づきにくくなるリスクも高まります。
年会費についても、初年度無料で2年目以降は有料もしくは利用実績に応じて無料になるクレジットカードを複数持っている場合、知らず知らずのうちに年会費だけが引き落とされているかもしれません。通帳記入や入出金の確認をあまりしていないのであれば、一度チェックして、年会費だけ引かれているカードは早めに解約するべきです。
クレジットカードを使うメリットとしてポイントが貯まることが挙げられますが、決済するクレジットカードが分散するとその分ポイントも分散してしまいがち。ポイ活の基本はポイントを集中させることです。よく集めるポイントと相性が良い、コード決済と相性がよいクレジットカードに絞ってみるのも一案です。
また、クレジットカードを作り過ぎて審査が通らない場合もあります。保有しているクレジットカードの利用限度額の合計を「総与信枠」と言い、それが高いとカード会社はリスクが高いと判断する可能性があるためです。
■クレジットカードの絞り方のコツ
では、どのようにクレジットカードを絞っていけば良いのでしょうか。ポイントは以下の5つです。
・メイン1枚、サブ1〜2枚で構成する
・ポイ活やコード決済に使えるカードを選ぶ
・交通系は1枚あると便利
・年会費無料かつポイント還元率が1%以上のものを残す
・年会費がかかるものは、それ以上をポイントなどでペイできているか確認する
クレジットカードを持ちすぎている人は、「お店で勧められた」「ノベルティが欲しかった」「ポイントが多くもらえる」など、さまざまな理由で申し込みをしたのではないでしょうか。
いくらポイントがもらえるとはいえ、メインで貯めているポイントでなければ、結果的にポイントが貯まりにくくなるでしょう。メインのカードは普段の買い物が有利になったり、ポイ活やコード決済に使えたりするカードにして、公共料金などの日ごろの支払い用に使いましょう。
サブカードの1枚目としては、鉄道や地下鉄、飛行機、ガソリンといった日ごろよく使う移動手段の支払いに便利なカードがあるといいでしょう。
サブの2枚目は特に縛りはありませんが、年会費が無料で還元率は1%以上のもの、もしくはメインのカードでは支払いがカバーできないもの、または、家電量販店のカードのようにポイント付与率が高くなるなどのメリットがあるものを選ぶと良いでしょう。
また、年会費がかかっているものは、それ以上にポイントや付帯するサービスでペイできているかを確認しましょう。活用できていないのであれば、解約もしくはカードのランクを落として年会費無料にするなどの方法を取るのが無難です。
■解約の注意点
利用していないクレジットカードは早めに解約することをおすすめしますが、注意点もあります。
・カードに残っているポイントやチャージ残高の処理
・年会費更新前に解約手続きをする
・家族カードやETCカードなどの付帯カードが使えなくなることも留意
・入会直後の解約は信用情報に傷がつく場合がある
クレジットカードを解約すると、今まで貯めていたポイントやカードにチャージをしていた電子マネーが無効になってしまうことがあります。ポイントは使い切る、もしくは、ポイントサイトなどへ移行し、電子マネーの残高は使い切ること。または、払い出しができるなら払い出しをしてから解約をしましょう。
そして、更新時に年会費がかかるタイプのクレジットカードは、その前に解約手続きを済ませないと損。また、カードを解約すると付帯している保険やラウンジサービスや家族カード、ETCカードも使えなくなるため、それでも問題無いか検討しましょう。公共料金などを支払っていた場合は、変更の手続きも忘れずに。
見落としがちな注意点としては、入会してすぐに解約をするとキャンペーン目当てと判断されてしまうこと。カード会社からの信用を失ってしまう可能性があり、次回以降クレジットカードが作りにくくなる可能性があります。
皆さんは、「クレジットカードヒストリー」「クレヒス」といった言葉を見聞きしたことはないでしょうか。クレジットカードヒストリーとは、クレジットカードやローンの利用状況や携帯電話端末の分割払いの支払い履歴といった利用履歴と、それに基づいた信用情報のことです。
クレジットカードの新規入会時や更新時には、審査においてクレヒスがチェックされ、クレヒスに支払いの延滞(遅延)など、マイナスな信用情報がある場合は、カードの入会や更新の審査に落ちるリスクも高くなってしまいます。
住宅ローンや車のローンなどお金を借りる際にこのクレヒスがとても重要となってきますので、ホワイトな状態を保つよう、引き落とし日前には口座に十分な残高があることを確認しておきましょう。
■クレジットカード0枚も要注意
クレジットカード0枚のスーパーホワイトと言われる人は、全てが現金払いで今までお金の借入などをしたことが無い、クレヒスが無い人のことを言います。
一見、それはそれでいいことのように思えますが、これまで利用実績が無いと、場合によっては住宅ローンなどの審査に通らないことも。もちろん、クレヒスは判断の一目安に過ぎず、年収や勤務年数など総合的に判断されますが、毎月継続的にカードを利用し、滞りなく支払っている実績が無いと、逆に信用できないという判断になることがあります。
今後、住宅ローンなどの借入を予定しているのであれば、クレジットカードを1枚作って公共料金など必ず支払うものをカード払いし、実績を作ってみてはいかがでしょうか。
■今回のポイント
クレジットカードはメイン1枚、サブ1〜2枚を持つのがおすすめ。5枚以上は持ち過ぎと言えるので解約した方が節約になるかも。クレジットカード0枚も逆に要注意!
※クレジットカード発行枚数調査結果
(文・丸山晴美、イラスト・タテノカズヒロ)