2021年8月に宝塚を退団した、元月組トップスターの珠城りょうさん。

男役として、プライベートも徹底していた宝塚時代。退団から1年あまりが経ち、彼女の日常はどう変化しているのだろう。

自然体で語ってくれた珠城さんのインタビューを、今日と10日(月)の2回に渡ってお届けします!



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宝塚で培った14年間の経験を財産に、ファンを驚かせるような役を演じていきたい


昨年8月に宝塚を退団し、現役時代より時間にゆとりができたが、コロナ禍ゆえ羽を伸ばして外食できる機会は少なかった。好物の焼き鳥も口にしたのは半年ぶりだという。

最近になって、宝塚を卒業した先輩後輩ともよく会うようになり、名前があがったのは霧矢大夢さん、早桃さつきさん、蒼瀬侑季さん。

少し風通しが良くなった今、仲間と食事をしたり、賑わう店に行くことの醍醐味を聞いてみた。

「コロナ禍で人と人が分断されてしまったじゃないですか。

そういう時期を経て、自分たちだけじゃなく、周りのお客さんも楽しんでいたら、その空間にいられるだけで多幸感を得られると思います。当たり前だった日常が戻ってきたと実感できて、温かな気持ちになりますから。

海外からの観光客もいたら、さらにそう感じますよね。今の自分にとって、日常がより大切なもの、尊いものになっています」


賑わう店でデートすることについてのメリットを聞いてみると、納得の考察が返ってきた。

「長く愛されているということは、お店の雰囲気や味に信用がある。したがって、大切な人と一緒に行ってもお互いがガッカリすることなく、楽しく過ごせるはず。

それなりの年齢になってするデートって、失敗したくないじゃないですか。だから、せっかくふたりの時間を過ごすなら、そういう保証がされているお店に行って、安心して話に華を咲かせたいですね」

彼女自身が賑わう店として思い出深いのは、銀座の火鍋『天香回味』。ずっと気になっている店は、同じく銀座の『マダムシュリンプ』というエビ専門店。

「エビが大好きで、周囲のエビ好きから“絶対行った方がいい”と言われてます」と訪れることを楽しみにしている。

宝塚時代は分刻みのスケジュールだったが、今は余裕ができたからそれを堪能する日もそう遠くないと考える。退団後、行動範囲も広くなった。

「宝塚は狭い世界で、阪急電車に乗ったら宝塚の人とすぐに分かるので、電車にあまり乗らなかったんですけど、退団してからは乗るように。

ひとりの女性としてのライフスタイルを普通に楽しめるようになったんです。前は、一歩家から出たら男役としての珠城りょうを常に意識していました。

いつファンの方に見られてもガッカリされないように、私生活でも女性らしい格好を一切しなかったです。そういう行動は大好きな男役を構築するためにも必要で、自分に課していましたね」


今年の4月にはTBS日曜劇場『マイファミリー』でドラマ初出演も果たした。

再び映像作品には挑戦したいと話す。

「もちろん舞台は継続してやっていきたいのですが、初めてドラマに出させていただいたらすごく面白くて、舞台にはないリアルさにも引き込まれました。

また違った役どころでいろんな作品に出演できたらと思っています」

舞台と違って映像では近距離でずっとカメラに追われるが、「カメラの存在を気にし過ぎず、芝居ができました」と言う。それは、元来の取り繕わないキャラクターも関係しているのかもしれない。

撮影後、好物のきゅうりの漬物を完食し、口を開く。

「本当にこれが素なんです(笑)。自分を盛ったってしょうがない。これが私ですと、食事も仕事も、肩肘張らずに入っていくタイプです」

誰と接するにも率直で朗らか。“トップスター”は、ありのままの姿でも十分格好良かった。

宝塚を退団して既存ファンの熱がさらに高まったという話にも、納得したのだった。


【後編】 10/10に公開!
■珠城りょうさんも「また来たい」と大満足の、西麻布の焼き鳥店
■【WEB限定】編集部は見た!珠城さんの撮影当日の裏話

■プロフィール
珠城りょう 1988年生まれ、愛知県出身。2008年、宝塚歌劇団入団。2016年、月組トップスターに就任。昨年8月、宝塚歌劇団退団。10月にオリジナル曲を収めた『Freely』とカバー曲を収めた『Shine』をデビューアルバムとして同時発売。11月からは全国ツアーもスタートする。来春公演となる舞台『マヌエラ』にも出演予定

■衣装
ジャケット 212,300円、トップス 85,800円、スカート 119,900円、バッグ 136,400円〈すべてファビアナフィリッピ/アオイ TEL:03-3239-0341〉、イヤリング 12,474,000円、リング 5,346,000円〈ともにブシュロン/ブシュロン クライアントサービス TEL:0120-230-441〉

▶このほか:「休日は予定を決めずに…」田村保乃が、癒しを求めて過ごす場所とは?




東京カレンダー最新号では、珠城りょうさんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、珠城さんがSNSをやらない理由とは?

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ナパバレー「マイケル・デイヴィッド」のシャルドネを飲む珠城さん。「フルーティー過ぎず辛口過ぎず、鶏肉に合いますね。普段はハイボールやサワーなので、焼き鳥にワインが新鮮!」

モダンな店内×シックな装いの珠城さんが絵になる一枚