9月25日(日)に地元名古屋の日本ガイシホールにて開催された「SKE48 14th Anniversary Festival 2022」より(C)2022 Zest, Inc. / AEI

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先月24日、SKE48は日本ガイシホール(愛知県名古屋市)で古畑奈和と須田亜香里の卒業コンサートを開催した。翌25日にはグループの14周年を記念するコンサートを同所で開いた。AKB48グループ選抜総選挙では選抜入りを2度果たした古畑、そしてバラエティ番組に多数出演している須田。そんなグループの顔が姿を消すSKE48において、今後の中心に立つのが、青海ひな乃だ。今月5日発売のシングル『絶対インスピレーション』のセンターに立つ彼女はどんな心境で先輩を見送り、どんなビジョンを持っているのか、話を訊いた。

【写真】14周年記念公演で躍動する青海ひな乃【8点】

 台風15号が過ぎ去った名古屋はすっかり晴れわたり、汗ばむほどだった。24日、昼公演では古畑奈和、夜公演では須田亜香里の卒業コンサートが開かれた。会場は日本ガイシホール。昨年秋、SKE48は13周年コンサートを開催する予定だったが、コロナ禍のあおりを受けて中止となった。そのリベンジを果たし、かつ世話になった先輩を最高の形で送り出そうと青海は燃えていた。

青海「奈和さんは心から優しい人。どんな後輩にも名前を呼びながら挨拶してくれます。誰かが傷つくぐらいなら、自分が傷ついてもいい。そんな方です。コンサートは奈和さんの色に染まったものになって、とても勉強になりました」

 須田の卒業コンサート終盤、青海はこの夜の主人公と向き合う瞬間があった。人前で泣くことのない青海が、この日ばかりは顔を覆いながら泣いた。

青海「亜香里さんにはすごくお世話になりました。私はSKE48らしくないメンバーと言われてきて、もともとファンではなかったし、歴史も知らない。キャラ的にもちょっとSKE48っぽくないみたいです。でも、『それがひな乃のいいところなんだよ』と認めてくださったのが亜香里さんでした。今年、コロナウイルスにかかってしまった私に、真っ先に連絡をくださったのも亜香里さんでした。私がグループの前に出るようになってから、何をすべきなのか教えてくれたのも亜香里さん。そんな方がいなくなってしまう――。そう思ったら急に寂しくなってしまいました。亜香里さんは大先輩であり、恩人でもあるんです」

 SKE48の劇場デビュー14周年と同日に発売されるシングル『絶対インスピレーション』。その真ん中に立って歌うのは、青海だ。自身にとって初のセンターとなる。

青海「亜香里さんは『ひな乃がセンターで頼もしいよ』と言ってくれました。今回は亜香里さんの卒業シングルです。そう話してくださったことで、ほっとしたし、センターになってよかったと思いました」

 須田が有終の美を飾るためにセンターに立つ。そんな判断もあったはず。しかし、現実にはそうならず、グループでは若手に位置づけられる青海が中心に据えられた。時計の針を進めるためだろう。その期待を青海は感じながら、数千人が見守るステージに立ち、新曲を初披露した。

 そればかりか、コンサート終盤には「超世代」宣言をした。ステージ上からは「SKE48を超えるという意味で“超世代”としてやっていきたいです」と説明したが、改めて本人に真意を問うた。

青海「9期生の私はグループのなかでは若手です。これまでも新世代コンサートや若手だけのユニットをやらせていただきました。でも、それだけでは足りないんです。先輩たちが作ってきたもの超えて、初めてSKE48が続いていくんです。たくさんの先輩たちが卒業していった今こそ、私たちが超えていかないとダメなんです」

 超世代と聞くと、思い出されるのはプロレスラーの三沢光晴だ。全日本プロレス所属時の1990年、試合中に虎の仮面を脱ぎ捨てて、素顔で勝負することを選んだ三沢は、川田利明らと超世代軍を結成。先輩であるジャンボ鶴田やスタン・ハンセンら強敵と激闘を繰り広げ、そして勝利した。“過去のSKE48”という巨大な敵に挑む青海の姿と重なる。