77歳、農業生活50年のおばあちゃん直伝。「捨てがちな野菜」をおいしく食べるコツ4つ
栽培技術や農家の日常などを、息子さんと共にYouTubeで発信している高知県在住77歳の「ひろちゃん」。理論的な野菜の育て方や、息子さんとのかけあいが人気です。ここでは、ひろちゃんが普段の食卓でも実践している、捨てがちな野菜の部位の食べ方や保存方法を伺いました。
しなびた野菜を捨てる前に試したい、野菜の復活・長持ち方法
まとめ買いした野菜や、道の駅や直売所で手に入れた野菜。おいしく最後まで食べきりたいですね。てっきり食べられないと思っていた、サツマイモの茎やニンニクの葉、オクラの花などもおいしく食べられるとひろちゃんは言います。なかには高知県民は日常的に食べているものも。ひろちゃん流の野菜をおいしく食べきるコツを伺いました。
●1:しなびた野菜は、一晩水につければほぼ復活
買ってきたナスやダイコンは、3日ほど経つとしなびてしまいます。腐っているわけではありませんが、色も抜けて、見栄えも悪くシナシナに。
しかし「1日水につけておくと、元通り…とまでとは言えないけれど、かなり元の状態に復活しますよ」とひろちゃん。
じつは冷蔵庫の中に裸の状態で野菜を入れるだけでも、野菜の中の水分はかなり取られます。そこでひろちゃんは、野菜をポリ袋に入れ、軽くしばって冷蔵庫で保管します。
「それだけで、野菜がだいぶしなしなになりにくいですよ」
●2:サツマイモの茎もニンニクの葉もおいしく食べられる
秋は、サツマイモの茎の皮をはいで煮て食べます。「高知では一般的な食べ方で、スーパーでも売っています。お芋よりも茎のほうが好きという方もいるほどです」とひろちゃん。
茎は油揚げや厚揚げなど、少し油が出る食材と煮ることが多いそう。ひろちゃんのおすすめは、鶏肉と一緒に煮て砂糖やしょうゆで薄く味をつけることです。
さらに、ニンニクから真っ直ぐ生える葉の部分も食べます。「葉ニンニク」といい、こちらも高知県では日常的に食べられます。
「私は体調が悪い時や風邪を引きそうなときに、お肉と一緒にすき焼き風にしたものをたっぷり食べます。すると翌日は健康そのもの」とひろちゃん。
●3:サトイモの茎やオクラの花だっておいしいおかずに
さらに、サトイモの茎も干してから食べます。サトイモはアクが強い穀物ですが、一度干すことで、水に戻したときにアクが一緒に抜けます。
「農家をしていた母から鉄分補給で食べるといいと聞いています。水に戻したのち、煮たり佃煮にして食べます」とひろちゃん。
ほかにも5月以降に咲くオクラの花は、天ぷらにして食べます。天ぷらにしたときのさくさくっとした食感がよく、花自体には少し粘り気があるのだそう。
また、コイン精米機の横に「ご自由にお取りください」と書かれた米ぬかも高知では人気が高く、争奪戦に。ひろちゃんはぼかしという肥料をつくるために取りに行きますが、家庭でのぬか漬けづくりやタケノコのアクとりでも使えます。
●4:間引き菜、抜き菜ならではのやわらかさがおいしい
野菜をより大きく育てるため、成長途中で周囲の野菜をわざと抜きます。これを「間引き菜」や「抜き菜」といいます。
ひろちゃんは「抜き菜は新鮮なやわらかいお野菜です。私はもったいないから食べるわけでなく、純粋においしいから食べます」と説明。通常は野菜の成長に適正な間隔をとるために余分になった芽を小さいうちに抜き取ります。
おすすめは、カブの抜き菜を丸ごとつかったお漬物。成長前のやわらかい葉をおいしく食べられるのは抜き菜ならでは。
「ほかにも、ニンジンの抜き菜は、かき揚げや白和えにするとおいしいですよ」とひろちゃん。
抜き菜は、道の駅や直売所で手に入ります。スーパーの中でも直売所のようなコーナーに置いてあることも。
「どの抜き菜も鮮度が大事です。日が経つと葉が黄色くなるし味も落ちてくるので、なるだけ早めに食べるのが大事だと思う」
ひろちゃんの野菜の食べ方、ぜひ取り入れてみてくださいね。