フェラーリがリビングにある平屋住宅。ガレージには、クルマ8台＆バイク5台
リビングでお酒を飲みながら、お気に入りのクルマを眺めたい。そんな夢を実現した平屋の注文住宅事例です。まるでディーラーのショールームのようなリビング。その一角には、フェラーリが置かれています。LDKの外には緑豊かな庭があり、その奥にあるガレージのクルマも眺めることも可能。また、緑に囲まれた露天風呂感覚を楽しめる、ミストサウナやジャクジーつきの浴室も必見です。
家じゅうからクルマが見えるファン垂涎の住まい
Sさんの家 千葉県 家族構成／本人62歳 パートナー57歳
設計／山縣洋（山縣洋建築設計事務所）
SさんのこだわりPOINT
1.クルマ8台とバイク5台、自転車2台が収まるガレージ2.プライバシーを守りながら、常にクルマが見える暮らし
3.敷地の広さを生かした平屋建て
4.たくさんの来客に対応するもてなしの場
クルマ好きの夢の、さらに上をいくような住まいを実現させたのは、Sさんとそのパートナー。リビングの一角にフェラーリが鎮座する様子は、特大のアートのようにも見えます。
「設計者の山縣洋さんには、クルマを生活に取り入れた家を依頼。リビングはクルマの横に接客用のソファがあるディーラーを手本に、デザインしてもらいました。自分がいちばん好きなクルマを見ながら酒が飲めるのは最高ですよ」（Sさん）
アルフレックスのパーソナルチェアはSさんの指定席。日が暮れかける時間にここで庭の緑を眺めるのが至福の時なのだそう！
一般的なガレージハウスはクルマがガラス壁で隔てられていますが、Sさんの家ではこの隔たりがなく、日常の暮らしでクルマとの一体感が感じられます。
「コロナが収束したら友人を呼んでクルマやバイク談義をするのが今から楽しみです」。
間取り図と外観、周囲の環境について
900�屬鯆兇┐詆瀉呂坊�つのは、400�峩瓩な寝扱�て。東側からガレージ、LDK、寝室と水回りにあてた箱を3つ並べて、箱同士の間には中庭やテラスなどの外部をはさんで通路でつないでいます。
特徴的なのは、ガレージやリビングなどの要所に、壁一面のフィックス窓を配置していること。そのため、家のいたるところからリビングやガレージに収めたクルマが見えるようになっています。
「ガレージ、リビング、寝室というゾーンの配置は、奥に行くほどよりプライベートな空間になることを考えました」と山縣さん。クルマやバイクの仲間を招くことが多いという、Sさんの話から考えたゾーニングなのだそう。
シンボルツリーのモミジを中心とした植栽が目を楽しませる「中庭1」（上図面を参照）の様子。植栽のデザインは造園家の徳光充子さんによるものです。
思い立ったらすぐに走り出せるのがうれしい！
8台のキャパシティがあるガレージは、レストア中のクルマなどの空席が2台分あり、取材した日は6台が収められていました。背後は壁一面の収納で、趣味の道具や友人をもてなすための冷蔵庫などが収められています。
ガレージの一角にはドライブシミュレーターも。サーキットを走るSさんいわく「タイヤやオイルなどの消耗品を考えると、シミュレーターのほうが安上がりです」とのこと。
そばにはアウトドア用のテーブルとチェアのセットもあり、ここで仲間と談笑することもできます。
年に4回はサーキットを走らせるというポルシェ（写真左）。
愛車のギャラリー空間やオートバイ専用のガレージも！
LDKと寝室があるブロックをつなぐ通路は、サーキットや海外を走る、Sさんと愛車の写真などが飾られるギャラリー空間に。
玄関脇にはオートバイ専用のガレージが。「無線機で仲間と会話しながら走れるバイクはクルマよりずっと楽しい」とSさん。
5台あるオートバイはその性格によって用途を使い分けているのだそう。
広いキッチンなので食事はふたりでつくります
キッチンからLDを見たところ。「キッチンからもリビングやガレージのクルマが見えて、調理や後片づけも楽しくできます」とパートナーのHさん。Sさん同様クルマ好きだけに、好みのポイントも一緒です。
「私よりSさんのほうが料理上手だから、つくってもらうことも多いんですよ」とHさん。ふたりでキッチンに立って、その日にあったことなどを話しながら料理する時間が、いちばん好きなのだそう。
キッチン裏にあるパントリー。写真の右側は中央にあるキッチンへのハッチ。「重い鍋をパントリーからキッチンに持っていくときなどにとても便利です」（Hさん）。
キッチンはLIXIL製のものを採用。コンロの前にはガラスの仕切りが入っています。
まるでホテルのよう！庭の緑を絵画のように楽しめます
浴室はバスコートに面したガラス張りの開放的なつくり。ジェットバスに加えてミストサウナの機能も付加しています。豊かなリラクゼーションのための浴室です。
「リゾートホテルの洗面を手本にデザインしてもらいました」とSさん。洗面室からも緑が楽しめます。
「休むためだけの空間なので、とくにこだわらなかった」とSさんがいう寝室。中庭越しに、ここからもガレージのクルマが見えます。
リビングから見たテラス2と中庭1の様子。屋根がわたされた半屋外のテラスにはガーデンファニチャーが置かれ、ここでも来客をもてなせるようになっています
外観は四角い箱が並んだシンプルな形
前面道路から見た外観は四角い箱が並んだシンプルな形。「中の様子が道路や隣地からわからないように設計してもらいました」（Sさん）。趣味のクルマのこともあるのでセキュリティ対策は万全です。
リビングのクルマやバイクの出し入れのために広々した玄関ポーチ。扉の向こうに広がる玄関ホールも、正面の庭の緑を絵画のように楽しめる、ゆったりした空間になっています。
「スポーツカーのワイド&ローな形にヒントを得て、開口部などの高さを1900�个離薀ぅ鵑砲修蹐┐胴�い平屋のプランにさらなる広がりを与えました」（設計者・山縣さん）。建物の間にテラスや中庭を置き、視線が通ることも広さを感じさせる要因です。
玄関ホールの左にある和室。表面を荒らした左官仕上げの壁面に庭の緑が映えます。
この家のデータ＆使われている素材と設備
敷地面積／949.36�屐�287.68坪）
延床面積／398.00�屐�120.61坪）
用途地域／第1種低層住居専用地域
建ぺい率／50％
容積率／100％
構造／木造軸組工法
素材
［外部仕上げ］
屋根／シート防水
外壁／アクリル弾性樹脂吹き付け塗装
［内部仕上げ］
床／ウォールナット 壁・天井／AEP塗装、クロス、ウォールナット練り付け合板
設備
厨房機器／LIXIL
衛生機器／LIXIL、TOTO、CERA
窓･サッシ／LIXIL、オリジナル
設計／山縣洋（山縣洋建築設計事務所）
