40代・50代の「夏疲れ」を解消する2つの方法。カギは腸と自律神経にあり
心身の変化が起きやすい更年期世代は、猛暑のピークが一段落した時季に、疲れを強く感じることも。今回は、医師で腸と自律神経のスペシャリストである小林暁子先生に、夏疲れの原因を教えてもらいました。
夏の終わりは「たまった疲労」が一気に顕在化
猛暑のピークが一段落したら、ドッと体を襲う疲労感…。ESSE読者の85%が、今の時季に疲れを感じる、と言います。その原因に自律神経が関わっていると話すのは、医師の小林暁子先生です。
「体の機能を一定に保つ働きをもつ自律神経は、夏の間、高温多湿の気候や寒暖差の激しい環境にさらされて大忙しです。ただでさえイベントの多い夏は、生活リズムが普段と異なり、体内時計が乱れがち。さらに、40歳を過ぎると女性ホルモンの分泌が低下する関係で睡眠の質が下がるため、疲労を回復できない状態が続きます。そうしてたまった疲労が一気に顕在化するのが今の時季なのです」
●不調を感じたら“腸”と“自律神経”を整えて
自律神経を整えるには、腸からのアプローチも有効と、小林先生。
「自律神経を司る脳と腸は“脳腸相関”といって、深い関係があることがわかっています。自律神経に負担をかけないよう睡眠をとり、免疫力アップや栄養吸収の要となる腸の状態を整えることが、夏疲れを解消するためには大切です」
●あなたの腸と自律神経、乱れている?
下記の当てはまる症状をチェックしてみましょう。
A
便秘または下痢気味 おなかのはりB
めまい 頭痛 肩こり 不眠 気持ちの落ち込みAに1つでも当てはまる人は、とくに腸が乱れている
Bに1つでも当てはまる人は、とくに自律神経が乱れている
A・Bともに1つでも当てはまる人は、両方とも乱れている
腸と自律神経が整う習慣2つ
小林先生が実際に行っている、腸と自律神経の整え方を1つずつ紹介します。
●腸:朝起きたら、コップ1杯の水で体の器官を起こす
睡眠中に失った水分を補給するためにも、朝起きたらコップ1杯の水を飲みましょう。消化器官が動き出し、同時に体内時計のずれをリセット。腸が動き、便通もよくなります。
POINT 水は1日で1.5〜3Lを目安に摂取
消化器官の巡りをよくして便秘を防ぐため、水分補給は十分に。ただし、1回の吸収量は限られ、一気に飲むと消化器官に負担がかかるので、コップ1杯ずつをこまめに飲みましょう。
●自律神経:着ていて気持ちがいいと感じる服を選ぶ
体を締めつけないシルエットで、気持ちいいと感じる素材の服を着ることも自律神経にストレスを与えないコツ。まだ暑いので、汗がべたつかない吸湿速乾性のある服がベター。
Dr.Akiko's Advice!
肌触りがよく、吸湿・放湿性が高いシルクのシャツを愛用。「昔はデザインで選びましたが、今は肌に心地いい素材の服を着るように」
ESSE10月号では、ほかにも小林先生が実際に行っている、腸と自律神経の整え方を紹介しています。また、夏終わりに気をつけてほしい更年期症状についても、紹介しています。ぜひチェックしてみてください。